第70話ボツ

サタンが語り終わると、また逆上し始めた。


だけど俺は躊躇した。


もし奴と同じ立場だったら、同じ事をしたかも知れない。それを想うと・・・・


「何をぼーとしている!空渡!そいつを倒さなければ、アルスナーダが死の世界になるぞ!」


とキャリブレーンが言い放つが俺は・・・


「同じ転移者だから戦えないの?」


と悲しい顔を向けるクローディア


「空渡よぅ。奴の境遇に同情してるのか?同じ転移者として?そいつはぁ、違うんじゃないか?んー?もうそいつはぁ、多く命ぁ奪ってるんだ。ここはケジメを着けなきゃならねぇ。解るな?」


とハニッサさんが諭そうと、話し掛けて来た。


「気持ちは解るがハニッサの言う通りだぞ?勇太よ!」


とブレスレットのガイバーン


「貴方とて悪い立場でした。ですがそんな事も物ともせず突き進み、今こうしてこの立場にいるではありませんか?」


とディーナさんが諭そうとするけど


その時!


「戦ってください空渡さん。貴方は私のヒーロー、そしてこの世界を救う、救世主なんです!」


とキャリブレーンから代わり、ホージョーさんが語り掛けてきた。この時何かを思い出し掛けた気がして


その時突然サタンが、ホージョーさんに斬り掛かって行く!


「お嬢!早くキャリブレーンに代わるんだ!」


とハニッサさんがホージョーさんに向かって叫びながら向かって行く!


「お嬢様!」


と槍を構えサタンに向かって行くレーナさん!


だけどホージョーさんは恐怖して動けない!


その瞬間、俺はホージョーさんに向かって行く!


だけど!


「キャァァァァァァァァァァ!!」


ズバ!


「ホージョーさぁぁぁぁぁぁん!!」


サタンに切り捨てられるホージョーさん!!


ホージョーさんは、倒れ込んで動かなくなった。


俺は直ぐその場に走りより、ホージョーさんを抱き上げた。


「ホージョーさん!ホージョーさん!」


俺は目を閉じて動かなくなったホージョーさんを、何度も呼んだ 。だけどホージョーさんは目を開かない。


リディアンさんも直ぐその場に駆けつけると、無言で首を横に振った。


「うぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」


俺はホージョーさんを抱き抱えながら、上に向かって叫んだ!


「コイツはやっぱり倒さなければ成らない敵だ!」


俺は叫んだ。


その時


「みて!サタンの様子がおかしい!」


とクローディア


「あああああああああ!!」


頭を抱え苦しみながら、絶叫するサタン 。


だけど動き止まり


「ふはははははははははははは!!」


殺気から威圧感に変わり


「よく遣ってくれた貴様達。お陰で奴の呪縛から解放された。どうやら奴の意識が崩壊した様だ。」


と今までとはうって変わって、冷静に態度になった。


「どうゆう事だ!」


と俺は叫んだ。


「・・・・・おそらく今まで転移者に支配去れ、サタン本人の自我が押さえられていた。そしてホージョーさんを殺した時の空渡さんの姿を見た時、過去の自分を思い出し、加害者側の立場になってしまった自分を悔いて自我を失って、サタン本人の自我が現れたのでは・・・・」


とリディアンさんが推測した。

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