第74話

サタンの大剣を破壊したと思ったのもつかの間、サタンは大剣を復活させてしまった!


その頃、勇太達の後方で両壁から現れ続ける獣魔達を倒し続ける、ジュニ達天井界のダークエルフと魔族のテディスと化け猫族のニャーニャ、そして後から加わったユニコーン族のブラークとエルティナ。


「この壁の中に何かカラクリが仕掛けておるのでござるよ。」


と、壁際で探るブラークが話す。


するとエルティナがブラークとは反対の壁際に付いた。


そして二人は刀を構え、顔を合わせ頷くと


「秘剣おぼろ斬り!」


と刀で壁の中の何かを斬り裂いた。


その途端、獣魔達が壁から現れ無くなり


「後は残った獣魔を討ち滅ぼすのみ!」


と、ブラークが声を掲げた。


その頃勇太達は


「お遊びも此処までだ。そろそろその回復魔法を使う女の魔法力も尽きる頃だろう。」


とサタンがいい放つ。


しまった!


この時を待っていたのか!


ん?


だけど天井界では、魔力が地表から放射していたハズ。


「リディアンさん!」


俺は振り向いてリディアンさんに叫んだ。


「この地下3階には、魔力が放射してはいないのです。」


と応えるリディアンさん。


「つまりはめられたのさ。だが奴も条件は同じハズだ。」


とホージョーさんに憑依した、キャリブレーンが冷静に応えた。


「何かアイテムは!」


と、リディアンさんに聞いた。


「アイテムはもう残り少ないのです。ただ魔力回復の魔法は使ってはいます。」


と応えた。


「恐らく奴も使っていて、魔力が回復したんだろう。」


とキャリブレーンが補足した。


だから魔力が回復するまで、大剣で戦っていたのか。


サタンは!


「だが、恐らくサタンの魔力量を4割程度しか使わず、魔力回復の魔法を使っている様だ。まさか。」


と続けてキャリブレーンが補足した。


何か企んでいるのか?


それにしても、何とかあの大剣を破壊出来ないだろうか?


「リディアンさん!あの大剣を完全破壊する方法はないでしょうか?」


俺はまた後ろを振り向きリディアンさんに話し掛けた。


「あの再生能力は、恐らく剣自体の機能でしょう。」


「ならまたリスミーさんに!」


と言うと


「今度ぁはサタンも警戒するだろう。姐さんが来れば必ず避けるだろうぉ。んー?」


と、ハニッサさん。


ならあの技を使うか?


エルティナに教わった内の技の一を・・・


「ガイバーン!刀をマテリアルチェンジしてくれ!」


「了解!あの技を使うのか!」


とブレスレットのガイバーンは云うが


「いや、あの技じゃないよガイバーン。にわかだけど、こんな時に打って付けの技があるんだ。」


とガイバーンに返した。


ただ、数日の修業で覚えた不完全な技かも知れないけど・・・・


そして俺はブレスレットのガイバーンに


「現れろ!ガイバーン!」


と叫んだ!


「了解!」


と応えるブレスレットのガイバーン。


する光と共に無数粒子が集り、ストライクランダー形態のガイバーンが目の前に現れた。


「そんな鉄巨人を俺を倒すつまりか?」


とサタンが言うと


「違うぞ。」


と俺は返した。


そして


「マテリアルチェンジ!鬼丸国綱!」


とガイバーンが叫ぶと、目の前に光と共に無数の粒子が集り、一振の刀が床に突き刺さって現れた。


鬼丸国綱、夢に現れる鬼を斬ったとの逸話のある刀。


俺はその刀を掴み抜き振りかざした。


「この刀には鍛冶職人の魂が込められてはいない。所詮はただのコピーなのだ。」


とガイバーンが言うと


「ならその魂、俺の魂で補う。補い切らなくなくても補ってみせる!」


とガイバーンに返した。


そんな俺を見ていたリスミーさんが


「サタンを侮ってはダメよ?ユウちゃん?」


と心配して話し掛けて来たリスミーさんに


「解ってます。」


と俺は冷静に応えた。


その時


「今こそ死ね!」


とサタンが魔法を放った!

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