第75話

サタンの大剣を破壊する為、ガイバーンを呼出し、刀をマテリアルチェンジして作成した。


その刀は、夢に現れる鬼を斬ったとの逸話がある、鬼丸国綱だった。


俺はその床に突き刺さる刀を掴み抜き、サタンに挑もうとしていたその時


「今度こそ死ね!」


と魔法を放とうとしていた。


その頃、後方で獣魔達を食い止める、ジュニ達天井界のダークエルフと魔族の娘テディスと化け猫族のニャーニャ、そして後から加わったユニコーン族のエルティナとブラーク。


「エルティナよ。此処は我らが抑えるゆえ、空渡殿とエルフ殿に加勢するので御座る!」


とブラークがエルティナに促すと


「御意!」


とエルティナはブラークに返し、その場を立ち去った。


しかし


「ぐぬ!」


油断したエルティナは去り際に、脇腹に獣魔の爪で引っ掛かれた。


だがエルティナは直ぐに反撃し、獣魔を倒して立ち去った。


その頃、勇太達はサタンの魔法攻撃を受けようとしていた。


「アイツ!爆熱魔法を重ているぞ!」


とキャリブレーンがサタンの魔法を見て警告した。


そしてサタンは魔法を放った!


誰もが諦めていたその時


俺はとっさに


「ガイバーン!」


とガイバーンに向かって叫んだ!


「了解!電磁フィールド展開!」


と目の前にいる、ストライクランダー形態のガイバーンが、皆がいる空域に、電磁フィールドを展開した!


ドドドドーン!


サタンの爆熱魔法を重ねた強力な魔法を防いだ。


「すまねぇ!兄弟!」


とハニッサさんがガイバーンに向かって感謝すると、ガイバーンは


「うむ!だが油断するな!直ぐに次の攻撃が来るぞ!」


と警戒を促した。


「あの鉄巨人、あんな魔法が使えるのか!それにダハーカを消し去っていた。」


と感心するキャリブレーン。


「魔法ではない!科学の力だ!」


とキャリブレーンに返すガイバーン。


だけど次の攻撃はさせない!


俺はガラナの俊足と気の力を集約して、急速にサタンに向かって行き、更に刀に気の力集約した 。


鍛冶職人の込める魂を込める為に。


するとまたエルフ化しながら


「秘剣!おぼろ斬り!」


とサタンの大剣に斬りかかった!


パキーン!


「しまった!」


サタンの大剣に斬り付けた時、鬼丸国綱は折れてしまった!


「ふん!未熟!」


とサタンが大剣で斬りかかる!


だけど俺の後ろの方から


「空渡殿!」


とエルティナが俺の前に来ると、刀でサタンの大剣を受け止めた。


そしてディーナさんも続いて受け止めた。


「遅く為りましたで御座る!エルフの戦士殿!そして空渡殿!」


とエルティナが話し掛けて来た。


その時サタンは


「ふん!」


と抑えるエルティナとディーナさんを退けた。


その時退けられたエルティナが


「空渡殿!あの技を仕掛けるので御座るよ!」


と俺に促すけど俺は


「無理だよエルティナ。俺は未熟だ。刀を折ってしまった・・・・エルティナ!きみが撃つんだ。」


と返す。


だけどエルティナは


「無理で御座るよ・・・。」


と返すエルティナを見ると、脇腹に深手を負っているのが解った。


「エルティナさん!」


と悲痛に呼ぶディーナさん。


だけどそれと同時にサタンが


「フレイムブラスト!」


と炎の爆炎を放った!


ドーン!


「ぐぬ!」


「ガイバーン!」


俺は慌てて振り返ると


その爆炎は、後方にいるガイバーンを狙撃していた!


ガイバーンが大破仕掛けていたのを知り


「戻れ!ガイバーン!」


「ぐぬ!了解!」


俺ガイバーンをブレスレットに戻した。


「このー!よくも兄弟をー!!」


とサタンに突進するハニッサさん。


それに続くクローディアとリスミーさん。


その時、エルティナが負傷しているのに気付いたリディアンさんが


「早く一旦離れて!」


との叫び声が聞こえて、俺とエルティナはリディアンさんとキャリブレーンのいる後方に移動した。


そしてリディアンさんは残り少ない回復魔法をエルティナに使った。


だけど全回復していなかった。


その時、リディアンさんに抱き抱えられたエルティナが


「空渡殿!我が力我が想い、この刀、群雨を託すので御座る・・・。」


と苦しそうに、刀を手渡された。


「こんな大事な物、受け取れないよ!こんな未熟者の俺に!刀を折ってしまった俺・・・。」


と未熟さを痛感しながら応えた。


「今、方々を救えるのは空渡殿だけで御座る。」


とエルティナが返すけれど・・・


そんな俺にリディアンさんは


「いえ、未熟ではありませんよ空渡さん。貴方はちゃんと、サタンの再生能力を無効化してます。」


と教えてくれた。


あの刀を折ってしまった時、おぼろ斬りの効果は有ったのか・・・・


その言葉を聞いたエルティナが


「では空渡殿。後は御頼み申す 。」


と促した。


俺はエルティナに手渡された刀を握り締めた。


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