第64話

俺達は獣魔の城内の地下2階の、コロシアムに居た3頭竜ダハーカを倒し、喜んでいた所、先頭に立つホージョーさんに憑依したキャリブレーンが


「おい!お前等!未だ終わってないぞ!」


とこっちに向かって叫んで来た。


その声で慌てキャリブレーンの方を見ると、続けてキャリブレーンが


「あれを見ろ!」


と指さす先を見ると、ダハーカの胴体に開いた穴が塞がって行くのが見えた。


再生能力だと!


「お姉ちゃんにまっかせなさ~い!」


とリスミーさんが棍棒を片手に、ダハーカに向かって行った。


すると身を伏せていたダハーカが気付いた!


不味い!


は!と思った時、ハニッサさんが羽を出して飛上り、向かって行くリスミーさんを捕まえ、飛上るとダハーカのしっぽがかすめて行った。


「ありがとう!ハニちゃん!」


とリスミーさん


「は!ハニちゃん!?ね、姐さん危ないぜぇ?んー?」


とリスミーさんを抱き抱えた、ハニッサさんが戻って来た。


「リスミーさんをありがとう!ハニッサさん!素早かったですね!」


と俺はハニッサさんに心の底から感謝した。


「あの時の二の舞いにしたくなかったからなぁ。んー?」


「あの時?」


「あたしは以前、アードラの姐さんがキャリブレーンが憑依したお嬢を斬り捨て様とした時、その気迫に一瞬出遅れて仕舞ったぁ。だがリスミーの姐さんは違った。直ぐに笑顔でアードラの姐さんに応えた。リスミーの姐さんが居なかったらぁ、お嬢を失なう所だった。まあそんな事は二度と御免て事さぁ。全くあの姐さんには敵わねぇ。んー?」


とハニッサさんが胸の内を語った。


だけど未だ戦いは続いている。


「もう一度射つだぴ!」


と上空に待機しているフラッグキラーに憑依した、風の精霊エアリアルがビーム砲を射とうとした時


「グァァァァァァァァァァ!!」


狂暴化したダハーカがしっぽでフラッグキラーを天上に叩きけ、墜落して爆発炎上、そして粒子分解して消えて行った。


「覚えてろだぴ~!」


とエアリアルが離れて行った。


なんか悪役がヤられた時の様な、捨てセリフだなぁ・・・・


「勇太よ!あの技を使う時が来た様だな!」


「いや、未だだ、未だエルティナに修行して貰った技を、使う時じゃない。」


グリフォン族の城砦村から、この獣魔の本拠地まで来る間、俺はエルティナに頼んで、剣術の修行を受けていた。


今後素手での攻撃が通用しない場面が、いつか来るかも知れないと思ったからだ。


それにエルティナとブラークさんの、一騎当千ぶりに魅せられて、俺も遣ってみたいと思ったから・・・・


「では私が行きます!」


とレーナさんが槍を構え、前に進む。


「私が援護をしましょう。」


と其れを見たディーナさんが、両手に光の剣を発現して共に進んで行く。


「俺も行きます!」


と二人を放っては措けないと、俺は共に行こうとした時


「ダメですよ、貴女はさっきの攻撃で力を使い過ぎています。」


とリディアンさんに引き止められた。


「そうだよ、其れに修行してたのは勇太だけじゃないんだから!私も行くよ!」


とクローディアまで!


「仕方ねえ、俺が魔法で奴を引き付ける。お前等はその隙に攻撃しろ!」


とキャリブレーンが協力するようだ。


「あたし等も魔法で援護するよ!」


とジュニさん達も


「あたしは、げ!下僕が心配だから一緒にいるわよ!」


とテディスがくっ付いてきた。


「あたちも一緒にいるだに!」


とニャーニャもくっ付いてきたぞ!


「ちょっとそこくっ付かな~い!」


とクローディアが怒って言って来た!


俺の近くにはリディアンさんも一緒にいる。そしてリディアンさんも魔法で援護している。


レーナさんとディーナさんが、ダハーカの張手やしっぽ攻撃をかわしながら斬撃で、ハニッサさんも打撃の連打、そしてリスミーさんはダハーカの魔法を無効化している。キャリブレーンとリディアンさんは、魔法でダハーカの気を逸らしている。


「うむ!正しくモ〇ハンだな!」


とブレスレットのガイバーンがまた得意気に言った。


そのネタもう良いから・・・・


ん?クローディアが距離を取り、剣構え動きが止まった。


何かする積りか?


「皆退いてー!疾風斬!」


あの技はライケンさんのストラッシュ技!


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