第28話

ユニコーン族の長、スレイプニルさんに元の世界に戻る手掛りを教えて貰った俺は、長とエルティナに促され、一晩ユニコーン族の城に泊まる事にした。

そして城内の一室に俺とエトランジュが通された。

その部屋には入って左右の端ににベットが1つずつ置かれていた。


「では、空渡殿、そしてエルフ殿、ゆっくり休まれよ。」


とエルティナが言い残し、部屋を出た。


「さあ寝ようか。」


とエトランジュをベットに促し俺は左のベット、エトランジュは右のベットに横に成った。

う~ん、女の子と二人きりで同じ部屋で泊まるのか~

なんか落ち着かないなぁ。


「ねえ、勇太?」


とエトランジュが神妙な顔で呼んだ。


「ん?」


「このまま記憶を取り戻さ無ければ良いのにと思うんだ。」


「どうして?」


「何か大事な物を失う気がして仕様がないんだよ。」


「大事な物とは何?」


「解らない・・・・だから不安なんだ。」


どうしたんだろう?急に・・・

ふと見るとエトランジュがベットから起き上がり、此方に来た。そして段々エトランジュの顔が近ずいて来て


「ん!?」


キスをした。


「大事な物を失わない内にして起きたかった・・・・・」


とエトランジュは潤んだ瞳で俺を見詰めた。

俺はエトランジュを抱き締め

その夜エトランジュとベットを共にした。


翌朝、俺は横に寝ているエトランジュに声を掛けた。


「朝だよ。」


「う~ん・・・此処は?」


未だ寝ぼけてるのかな


「え!?お姉さん誰?何で裸でベットに寝てるの?其に僕も!」


その時急に顔が大人びて、背が伸びた!そして俺の顔を見るなり、ベットから立上ってベットから跳び降り後に下り


「貴様!ダークエルフ!」


と身構えた!


「どうしたんだよ!エトランジュ!」


「何の事です!」


と目の前の大人びたエトランジュが叫んだ!


「何寝ぼけるんだよエトランジュ!」


「寝ぼけなどいませんし、私はエトランジュなどではありません!私はディーナ・シーです!」


そう言えばユニコーン族の誰が

エトランジュを見てディーナ・シー殿復活成されたとか言ってた・・・・・でも!

俺はその現実を受け止められず

思わず!


「嘘だ!」


勇太の悲痛な叫びが響き渡った


「嘘等ではありません!」


「そんな・・・・・」


俺はその場に力無く両手を着いた。


「確か私達はオラーケル村はずれの山奥でリザードマンとの戦いで崖に落ち、頭を打って其から・・・・思い出せません。」


「落ちて来た君を下に居た俺が受け止め、仲間が助けたんだ・・・・」


俺は鳴きそうに成り乍答えた。私達って?


「何故ダークエルフの貴女が私を助けたのですか?」


「そんなの当たり前の事だよ

・・・・・」


「貴女は一体・・・・・」


その時エルティナと数人のユニコーン族の兵が、騒ぎを聞き付け駆け付けて来た


「どうされた!空渡殿!」


と慌ててエルティナが叫んだ


「ん!?此はユニコーン族の方々!」


とディーナ・シーと名乗る大人びたエトランジュが言った。


「貴女はディーナ・シー殿か!」


とエルティナが応えた。


「そうです。」


「記憶が戻られたので御座るか!」


突然元の幼い感じになり


「今、空渡って!」


「あのダークエルフ殿で御座る!」


とエルティナが答えた。


「僕の様に誰かに憑依してたんだね!」


え!?まさか!


「僕だよ!海樹雪人だよ!」

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