第29話

ユニコーン族の城に一晩泊った俺とエトランジュだったが、翌朝エトランジュが目を覚ますと記憶が戻っていた!その代わりにエトランジュが居なく成っていた・・・・・そして


「僕だよ!海樹雪人だよ!」


目の前のエトランジュだったエルフの女の子が、必死に俺に話し掛けていた・・・・


「え!?まさか・・無事だったのか・・・・良かっ・・た・・

・・・」


海樹君が憑依してたのか、でも


「どうしたの?空渡君!元気が無いよ?」


「ごめん・・・本当は嬉しい事なんだけど・・・今は・・・素直に喜べなくて・・・」


「一体、空渡君に何があったんですか!」


必死に周りに聞いている海樹の声が勇太の耳に入る


「其はあたしが答えるよ・・

・・・」


とガラナが今迄の事、そして昨晩の事を海樹に話していた


「そう・・だったの・・・・ごめん・・・」


海樹が申し訳無さそうに謝った


「此は雪人君が悪い訳では無いし、誰かが悪い訳では有りませんよ!」


とディーナ・シーが海樹を励ましている


「空渡さん!」


と突然部屋の入口にホージョーが現れた

その後にはリディアンとクローディアが居た


「どう成されたのですか!?

帰って来ないので心配しましたよ!」


と血相を変えている


「ごめん・・・・エトランジュが居なく成ったんだ・・・・・くっ!」


「どうしちゃったんだよ!エトランジュは!」


とクローディアがエトランジュを探して、周りをキョロキョロしていた。それを見たガラナが

全てを話し


「そんな・・・」


落胆するクローディア


「若しかするとエトランジュちゃんはディーナさんと海樹さんの深層心理で望む人格なのかも知れませんね。それが記憶喪失をきっかけに、ストレスを貯めない様に現れたのでしょう。

そして記憶が戻ってエトランジュちゃんの人格が消えて仕舞った。」


とリディアンが説明していた


「兎に角、空渡さんは連れて帰ります!この人は私が守ります!」


「ホージョーよ!今はそっとしておくのだ!」


ブレスレットのガイバーンが言った


「そうだよホージョー!デカブツの言う通り、今そんな事したら勇太がダメに成るよ!」


ガラナが言った


「其にしても空渡さんを此処に置いては行けません!」


ホージョーは勇太を連れ部屋を出た。そしてホージョーを追うようにリディアンとクローディアが部屋を出た


「僕は一体どうしたら良いんだろう・・・・」


「ディーナ・シー殿!貴殿には異世界の人のおなごの魂は宿って居るので御座るか?」


とユニコーン族の女の人が聞いた


「残念乍、手違いで異世界の男の子の魂が宿って仕舞いました。」


「すいません!僕は異世界から来た、海樹雪人と言います。僕が余分な事をしなけば・・・」


ディーナさんが事情を説明した


「拙者はユニコーン族のエルティナと申す。うむ!仕方無し

で御座る。と成ると天上界の

獣魔の本拠地に有る、転位魔法陣に行かなくては成らんので御座るな。」


「では、此から私達は天上界の魔法陣に行って参ります!」


「待たれよ!一人では無茶で

御座る!我等もお供致す!」


「しかし、貴女方には羽根が無く天上界には行けません!」


「策が御座る!ジャンドゥの空飛ぶ船を奪うので御座るよ!」


「成る程、多くの兵も送り込める訳ですね。」


「ちょっと待って下さい!」


と僕は割って入った。


「ん!?此はエトランジュ殿!消えて無かったので御座るか?」


「いいえ!違います!」


「背丈がディーナ殿から代わられた時が一緒でつい!」


「空渡君を此のまま放って置けなくて!」


「うむ!拙者も空渡殿には恩義が有るので御座るが・・・・」


恩義?

その時突然、ディーナさんに代わって


「空渡とはさっきのダークエルフですか?」


「左様で御座る!この城の在るこの国、アンファングの村や街を守り、この城を窮地から

救った御仁で御座る。」


とリディアンさんが説明した


「私、少し興味が湧いて来ました。もう一度その空渡さんに

会って、話しがしたくなりました。」


と今迄少し険しい表情をしていた、ディーナさんが優しい表情に成ってホッとした


「では拙者がご案内致します故、共にホージョー邸に参りましょうぞ!」


こうして僕等は空渡君の居る

ホージョー邸に向かった。

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