第15話

俺とクローディアはリューゲ村を出て、ユニコーン族の城へ急いでいた。それから数日。


「今度はオラーケル村だよ。」


「オラーケル村?」


「そう、エルフの戦士を信仰対象とした村だよ。」


とクローディアが説明してくれた。


「エルフの生き残りとか、何か情報を得られるといいな。」


とその時、右側の崖から人が落ちて来た!俺は素早くその人を受け止めた!するとフ―ドはとれ顔を見ると、美しいエルフの女の子だった。


「気絶してる・・・・。」


「勇太!このエルフの子、頭に怪我をを負ってるよ!」


「ガラナ!」


「あたしゃ回復系の魔法は苦手なんだよねぇ。」


「仕方無い、オラーケル村へ急ごう!」


その時!


「どう去れました?」


と、白いローブを着た女の人が現れた。でも俺の顔を見たとたん


「ダークエルフ!」


と身構えた!


「この人は違います!私の村とリューゲル村を、守ってくれたんです!」


とクローディアが庇ってくれた。


「そう言えば噂で砦村を一人で守り、この間はリューゲル村を救ったダークエルフに憑依した異世界の男が旅をしているとか・・・

・貴女が?」


と白いローブの女の人が言った。


「そうです。それに一人じゃありません!

ガラナも一緒です!結果的にそう成っただけですから。」


と謙遜して答えた。


「ガラナさん!?昔ダークエルフの奴隷商人とその親族を皆殺しにしたと言う!」


「ふん!あたしの事を知ってる女が居るとはねぇ。あいつ等はあたしとあたしの仲間達を奴隷として売り、その先では・・・有りとあらゆる恥辱や屈辱を味会わされたんだ!当然さ!」


ガラナには過酷な過去が有ってのか・・・・・


「今は違いますよ、獸魔達と戦うと心に決めてくれたんです!」


と俺はガラナを擁護した。


「勇太!アンタって奴は・・・・。」


「そうですか・・・・ガラナさんも・・・・

噂の貴女が言うのなら、そうなんでしょね。取り合えず治療をしましょう。」


と、白いローブの女の人が手を当て様とした時!


「エルフ!未だ生き残りが居たのですね!」


と驚いて言った。


「俺達も今さっきこの子を助けたばかりで。」


と白いローブの女の人に言った。


「そうだったのですか、とにかく早く治療をしましょう。」


と、白いローブの女の人が手を当てた。

すると光りと共にエルフの子の怪我が治って行った。


「有り難う御座います!」


と俺は白いローブの女の人にお礼を言った。


「私はリディアン・フェイと言います。貴女方はどちら迄行かれるのですか?」


「俺は空渡勇太と言います。訳有ってユニコーン族の城へ向かっています。それと砦村から道案内をしてくれてるクローディア。」


「よろしくお願いします!」


「後はこの体の持主のガラナ。」


「よろしく。」


「よろしければご一緒させて頂けますか?」


とリディアンさんが申し出てくれた。


「俺は貴女の様な回復系の魔法が使える方が、一緒に居て頂けると心強いです!」


クローディアも首肯いていた。


「一旦オラーケル村で休みましょう。」


と俺提案した。二人も同意し、俺達は

オラーケル村の宿屋に行った。

そしてベッドにあのエルフの女の子を

寝かせていた。


「気が付いた?」


俺はエルフの女の子に言った。


「ここは?」


エルフの女の子は朦朧として言った。


「オラーケル村の宿屋だよ。」


「何処ですか?」


「え!?君解らないの?」


「思い出せない・・・・。」


「どうやら記憶喪失の様ですね。」


とリディアンさんが言った。


「俺は空渡勇太。君は?」


「僕は・・・・思い出せない・・・・。」


「もう遅いし今日はゆっくり休もう。」


と俺は皆を促した。

そして真夜中、目が覚めるとエルフの女の子を連れて行こうとしている男達が居た!


「お前等ぁー!」


俺はそいつ等を叩きのめし宿屋から放り出した!その騒ぎで皆も起きて来た。


「どうしたの!」


と慌ててクローディアが言った!俺はクローディアとリディアンさんに事情を説明した。


「君!何か去れなかった?」


「大丈夫!」


と抱き付いて来た。


「え!?」


と俺はびっくりした。

きっと怖かったのだろう。


「もう大丈夫。」


とそっと抱き締め安心させた。


「あ!ちょっとちょっと!」


とクローディアが慌てて言った。

するとリディアンさんが微笑んでいた。


「その者達は何処から聞き付けて来たかわ解りませんが、きっとエルフの彼女を売る積りだったのでしょう。」


とリディアンさんが残念そうに言った。


「何て事なの!救世主に成るかも知れないエルフさんを・・・・。」


とクローディアがショックを受けて居た。

ここも長居は出来ない様だ。

それにエルフの女の子を置いては行けない。

俺達はエルフの女の子を連れて、次の村へ急いだ。

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