第43話

俺達は西に在る獣魔の本拠地に向かうとしていた。周りは高い山に覆われていて先が見えない。高い山の頂上に着くと、その先にはきらびやかな世界が広がっていた。俺はふと、振り返ると


「クレーター!?」


「言ったろ?此処は強力な魔法の爆心地だったってよ。」


とキャリブレーンが応えた。

そうか、強力な魔法の爆発力で出来たクレーターだったのか。

来る時は気付かなかったけど、直径2キロから3キロは在りそうなクレーターだ。


「で、リスミーさん、いい加減放して欲しいんですけどぉ。」


「お姉ちゃんね!」


「う、お姉ちゃん・・・」


「だってぇ、抱き心地が

良いんだものぉ。」


とリスミーさんが嬉しそうに言った。

俺は抱き枕かい!


「後から抱き着かれて居られると、歩き辛いんだけどぉ。」


と俺はリスミーさんに言った。


「気にしないで!」


と上機嫌のリスミーさん。


勘弁して・・・


其の時!


「ん!?此処は?軍曹!勇太よ!皆!」


クレーターから離れて、ブレスレットのガイバーンが気が付いた様だ!


「ガイバーン!」


と思わず呼んだ。


「ガイバーンさん!」


とクローディアとリディアンさん


「兄弟!」


とハニッサさん


「ブレスレットのおっちゃん!」


「誰がブレスレットのおっちゃんだ!」


最後にニャーニャが可笑しな呼び方をして、ガイバーンが突っ込んだぞ!


「ん!?そちらの娘さんは?」


とガイバーンがリスミーさんに気が付いた様だ。


「この鬼族の女の人はリスミーさん。」


「お姉ちゃんね!」


「お、お姉ちゃん・・・・」


リスミーさんにガイバーンに紹介すると


「よろしくね!おしゃべりするブレスレットさん!」


とリスミーさん。


「おしゃべりするブレスレットさんでは無いぞ!ガイバーンだ!」


と訂正を求めるガイバーン。毎度のパターンだなぁ。

と言うか、おしゃべりするブレスレットさんって、ホージョーさんかい!


「アリサよ!いや、軍曹!無事だったか!」


とガイバーンがホージョーさんいや、キャリブレーンに言った。


「其の人はもう軍曹じゃ・・・・く!軍曹はもう・・・・。」


と俺は項垂れ、拳を強く握り締めた・・・・


「軍曹の奴は消えて仕舞ってよぉ、其の代りに、キャリブレーンって奴が現れて、お嬢の身体を乗っ取りやがったんだぜぇ!兄弟!」


とハニッサさんが悔しそうにガイバーンに話した。


「ふん!何だぁ?このブレスレットはぁ?面白い物持ってるじゃねえか!」


とキャリブレーンが興味深そうに言った。


「ガイバーンは大切な仲間だ!渡さないぞ!」


とキャリブレーンに対して身構えた!


「待って下さい!空渡さん!キャリブレーンが憑依しているとは言え、ホージョーさんの身体を攻撃出来るのですか?」


とリディアンさんが攻撃を止めようとした。


「此処はお姉ちゃんに任せて!」


とリスミーさんが笑顔で言うと、キャリブレーンに立ちはだった。


「これは俺の戦いです!危ないからリスミーさんは下がって!」


と俺はリスミーさんを自分の背中に下がらせ様とした。


だけど


「ユーちゃん、今の君じゃちゃんと戦えないよ!知っている人が憑依去れてるんでしょ?あの人を攻撃出来る?此処はお姉ちゃんに任せなさい。」


と優しい笑顔で諭した。


「・・・解りました、キャリブレーンが憑依している身体は、大切な人の身体なんです。憑依している人の身体を、傷つけ無い様にお願いします。」


と俺が頼むと、リスミーさんは


「来て!私のこん棒ちゃん!」


と合図すると

光と共に粒子が集り、こん棒をマテリアルチェンジして掴んだ!


「大切な人と言うのがちょっと妬けるけど、これが有れば大丈夫!」


「ぬかせ!グラビィティーウェーブ!」


とキャリブレーンが強力な重力波の魔法攻撃した!


「えい!」


とリスミーさんがこん棒をふると


「く!何も起こらない!」


とキャリブレーンが言った。

続けてキャリブレーンが


「ファイアーハリケーン!」


と強力な魔法攻撃をすると、またリスミーさんがこん棒を振った。すると強力な炎の竜巻の魔法が、こん棒に吸収去れた!


「今度は貴方を吸収するわよ!」


とリスミーさんが言うと。


「無駄です諦めなさい。貴方の敗けです。」


とリディアンさんがキャリブレーンに敗けを促した。


「く!・・・仕方ねぇ・・・俺の負けだ・・・・。」


今は辛抱だ奴を倒した後は・・・・


「そこ!悪巧みしない!」


とリスミーさんがキャリブレーンに指差し言った。


「く!何で解るんだ!この女ぁ!」


キャリブレーンがリスミーさんに全く歯が立たない!


「ありがとう!リスミーさん!」


と俺はリスミーさんに感謝した。


「なんか本当のお姉ちゃんみたいだ。」


「ありがとう!ユーちゃん!」


とリスミーさんが笑顔で応えた。


「良いのですか?クローディアさんとガラナさん?空渡さんが籠絡去れそうですよ。」


「う~!」


「そうはさせないよ。」


「ロウラクって何だに?旨いだにか?」


リディアンさん達が何か話してるなぁ。


「所で勇太よ!ディーナ殿達と合流出来たのか?」


とガイバーンが聞いてきた。

俺はこれ迄の事をガイバーンに話した。


「うむ!では乗り物を用意しよう。」


「出来るのか?ガイバーン!」


「忘れたのか勇太よ!私は君のサポートメカだぞ!乗り物のデータはある程度保有しているのだ!」


ガイバーンは降下作戦用の武装したシャトルを、マテリアルチェンジして作製した。


「凄いじゃな~い!ブレスレットさんは!この!この~!」


とリスミーさんがガイバーンのブレスレットを津っいた。


「こら!こら~!だから私はガイバーンだ!」


と怒るガイバーン。


「行くわよ!勇太!デカブツ!」


「ちょっと待って!あれ!」


とクローディアが西の果てに指差し言った。

見ると煙りが立っていた。


「あの辺りはグリフォン族の村が在る方だな。」


とキャリブレーンが言った。


「行こうぜ!空渡よぉ!んー?」


「よし!皆行こう!」


俺達はシャトルに乗り込み、グリフォン族の村へ、急ぎ向かった!

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