第67話

ダハーカを倒し、ダハーカが居た後ろの出口を通ると、また下り階段があった。


「降りるぞ!」


と、先導するホージョーさんに憑依するキャリブレーン。


「何処まで行く積りだ!」


とキャリブレーンに叫んだ。


「この下の階に奴が居るハズだ!」


とキャリブレーンが首を左横に向け、目でこっちを見ると叫んだ。


階段を降りきると、また左右に延びる通路があった。


「右だ!」


と叫ぶキャリブレーン。


俺達は右に曲がって通路を走り抜けた。


そして突き当りを右に曲がって走ると、右に大きな扉があるのに気付いた。


するとホージョーさんに憑依した、キャリブレーンが


「その扉の中に奴が居るハズだ!」


と叫んだ。


そして高さ10メートル横幅5メートルは在ろう、扉を開け突入すると、中は薄暗かった。


その時前方から閃光が走り!


!!


「皆避けろ!」


と叫んだ!


バァァァァァァァァァン!!


俺達は左右に跳び避けると、後ろの壁に何かが命中し、壁が爆散した。


「何だ!」


と叫ぶと


「奴だ!」


とキャリブレーンが前方を指差し叫んだ。


薄暗いホールの300メートル位先に、漆黒のモンスターが立っていた。


「く!物凄い殺気だ!身体が強張る!」


とつい口走ると


「奴に呑まれるな!勇太よ!」


とブレスレットのガイバーンが檄を入れた。


他の皆も強張っているのが解る。


「この程度の殺気で怯むな。」


とキャリブレーンが言った。


「あ!アイツが諸悪の根元のサタンなの!?」


とクローディアがホージョーさんに憑依した、キャリブレーンに話し掛けていた。


「そうだ、奴がサタンだ。」


と険しい表情で答える、ホージョーさんに憑依した、キャリブレーン。


その時


「ディーナさん!」


と隣にいるディーナさんに向かって話し掛けると


「行きましょう!」


と頷いて応えた。


「私も行きます!」


とレーナさん


「私も行くわよ~!」


と元気一杯のリスミーさん。


その時左右から蠢く者共が現れた。


「ち!獣魔か!」


とハニッサさんが呟いた。


「待ち構えてたのね!」


と魔族の女の子のテディスが悔しそうに言った。


「ザコはあたし等に任せて奴を倒すんだ!勇太!」


と天上界のダークエルフのジュニさんが、願いを込めて話し掛けて来ると、俺は振り向いて頷いた。


その時リディアンさんが


「後はお願いします。」


とジュニさん達、天上界のダークエルフに頭を下げた。


「ああ。」


と応えるジュニさん。


後ろをジュニさん達に任せ、俺達はサタンへと向かった。


ジュニ達ダークエルフ


「フン!人族の女に頼まれるとは、時代が代わるのかねぇ。」


と呟くジュニ。


「あ!あたちも行くだに~!」


とニャーニャが行こうとすると


「アンタはこっちだよ。」


とニャーニャの首根っこを掴んで、ジュニが引き留める。


「何するだに~!何するだに~!」


とじたばたするニャーニャ。


「アンタは足手まといに成りそうなんでねぇ。」


と返すジュニ。


「うにぁ~!プンスカプン!」


と両腕を上げて怒るニャーニャ。


「おや?アンタは行かないのかい?あんなにあの地上界の、ダークエルフにご執心だったのに?」


「うるさいわねぇ。」


と腕を組んで顔を膨らますテディス。


「アンタとはついさっきまで殺し合いをしてたのにねぇ。」


と想い伏せるジュニ。


「そんな事より獣魔達を倒すのよ!あたしの下僕が戦える様にね!」


と闘志を燃やすテディス。


「フン!一途だねぇ・・・・。行くよ!」


とジュニの号令で、天上界のダークエルフ達とテディスは、獣魔達に飛び掛かって行った。


一方勇太達


サタンのいる場所まで走り抜けようとすると、左右から獣魔が襲い掛かって来る!


それを左側を走るレーナさんが槍で迎撃し、右側を走るハニッサさんが、魔法を付加した拳で殴り倒す。背後に回り込もうとする獣魔は、クローディアとリスミーさんが剣とこん棒で迎撃している。中央にいるリディアンさんは支援魔法を、キャリブレーンは攻撃魔法で全方に回り込もうとする獣魔達を攻撃していた。


俺とディーナさんが、攻撃に参加しようとすると


「お前等は体力を温存していろ!」


とキャリブレーンが俺とディーナさんに叫んだ。


「おい!キャリブレーン!お嬢の身体に傷つけたら許さねぇぞ!んー?」


とハニッサさんがキャリブレーンに凄むと


「ハニッサ!お前はしっかり守れ。」


とキャリブレーンが返す。


「この!」


とハニッサさんが怒るのを制止するリディアンさん。


「キャリく~ん?」


と、こん棒をチラつかせるリスミーさん。


「げ!姐さん!」


とビク!とするキャリブレーン。


「お姉ちゃんね!」


と何時もの様に笑顔で返すリスミーさん。


ブレないなぁ~・・・・


そして遂にサタンの前まで到達した。


「サタン!貴様を倒す!」

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