第58話

俺達は獣魔の本拠地の前に、前方を覆い被さる様に現れた、獣魔の大群に戦いを挑もうとしていた。


だけど獣魔の戦列に未だ残る魔族に向かい、グランヴェルグが巨竜に戻り怒りを露にしていた。


「貴様等!其処で何をしている!」


するとその内の一人の魔族が


「此れはグランヴェルグ様!しかしエルフの戦士が居なければ、獣魔の長サタンには勝てませぬ!」


と言い放つ魔族に対してグランヴェルグは


「彼処に居るエルフの戦士二人と、鉄の空飛ぶ船の奴等は味方なのだ!そして奴等には我が眷属への恩義がある。だから共に戦うのだ!」


そしてグランヴェルグが俺達の戦列に加わる事を促すと、魔族達は次々と加わって行った。


グッドスピードブリッジ


「此処は何処なのだ~?」


青龍から放たれたハーピーが、キョロキョロして言った。


「ん?此れはハーピーの長、エリチェン殿!青龍殿が放れて正気に戻られましたか!」


アードラが応えた。


そしてアードラが現状を伝えると


「我が一族は何をして居るにだ~!勇太!?いや!エルフに成れるダークエルフが現れたら、手を貸す様伝え置いたのだが~!」


とエリチェンが怒り始めた。


「あら~?ダメじゃな~い?怒ったら可愛い顔が台無しよ~?」


とビタ!と抱き付くリスミー。


「何をするのだ~!」


とジタバタするエリチェン


「あら貴女、私の家でメイドのお仕事をしては頂けないかしら?」


とホージョーがエリチェンに話し掛けると


「ん?其処の人族の娘は?亜里査と同じ波動を感じるぞ!ん?其処の壁際で何かしている化け猫族の娘は!?ニーニャではないか~!」


とエリチェンがニャーニャに向かって話し掛けた。


「あたちはニーニャじゃないだに!ニャーニャだに!」


と訂正を求めるニャーニャ


「似たような者なのだ~!」


「この鳥失礼だに!シャー!」


「何お~!猫~!」


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ


「あー!ちょっとちょっと!暴れちゃダメー!」


とクローディアが止めに入った。


フラッグキラー機内


「よし!魔族もこっちの戦列に加わったぞ!ガイバーン!一斉射だ!」


「了解!大型ビーム砲発射!」


キュイイイイイイイイン!!


ズシュュュュュュュン!


俺とガイバーンは機体下部の畳まれた大型ビーム砲を展開、そして強力なビーム砲で大群の獣魔達を凪ぎ払って行った。


「多弾頭ミサイル一斉射!」


パシュ!パシュ!パシュ!パシュ!パシュ!


ヒュュュュュュュュン!


ヒュュュュュュュュン!


ヒュュュュュュュュン!


ヒュュュュュュュュン!


ヒュュュュュュュュン!


ドドォォォォォォォォン!


ドドォォォォォォォォン!


ドドォォォォォォォォン!


ドドォォォォォォォォン!


ドドォォォォォォォォン!


俺とガイバーンは大型ビーム砲で、獣魔の大群を凪ぎ払い切れなかった。そして今度は多弾頭ミサイルの一斉で、撃破して行った。其れでも未だ多くの獣魔が残っていた。


「く!コイツら何れだけ居るんだ!」


俺がつい愚痴を溢して仕舞った時、ガラナが


「勇太!あたしに代わりな!あたしの強力な魔法で殲滅して遣るよ!」


と話し掛けた時!


「フン!そりゃ俺の役目だ!」


とホージョーさんに憑依した、キャリブレーンが、フラッグキラーのコックピット左側のモニター越しに、話し掛けて来たのが見えた。


「やっと俺の出番だな。」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る