第33話
エルティナとライケンはミナミ村に行き、ダークエルフとリザードマン解放の交渉に、そしてヘザーかディルに勇太の友人がエルフに憑依していた事を伝えに向かった。
一方、ハニッサの助言により勇太に会いに海樹とディーナは夜中に飛んで、勇太の居る部屋の窓の前に居た。
トン!トン!
トン!トン!
「ん?」
窓を叩く音で勇太が気付きベットから振り向くとディーナが窓の外に居た。勇太はためらいながらも、ディーナを中に入れた。
「貴女は今朝の・・・・」
「はい、ごめんなさい。今朝は貴方の事を良く知らず、酷い言い方をして仕舞て・・・」
「いえ、大して気にしてません。其より・・・」
勇太の顔が暗く沈む
「今回は貴方に話しがしたくて参りました。貴方の事をもっと知りたくて。」
「え?」
ディーナは雪人からある程度の事は聞いていたが、良くは知らない。
勇太は此れ迄の経緯をディーナに話した。
「其れでは貴方が異世界の女の子を助ける為に、身代りに貴方と雪人君がアルスナーダに、そして貴方がガラナさんに、雪人君が私に憑依して仕舞ったのですね。」
勇太は軽く首肯く
「私達にとって痛手でした。何故其所までして助けたのですか?」
「友達を助けただけで俺は・・・・」
「貴方はお優しいのですね。そして貴方は成り行きとは言え、アンファングの村や街を救ったのですね!」
「守りたい人を守っただけで、其に俺一人の力じゃ無理でした。皆の力があったから・
・・・・」
「其れも貴方の力ですよ。天上界に行く前に貴方とお話しが出来て嬉しく思います。」
「天上界?」
「はい。空の靄の上に在る世界で、獣魔の本拠地が在りそして異世界に繋がる円陣が在る場所なのです。その円陣で異世界から女性の魂を召喚し、再び私に憑依させるのです。」
「海樹君はどう成るんですか!」
「雪人君は元の世界に戻るでしょう。」
「はぁ、良かった・・・」
その時突然ハニッサが入って来た!
「大変だぜ!空渡よ!ユニコーン族の城が襲われているぞ!」
「本当ですか!」
と慌ててディーナが言った!
「お!ディーナさん!来てたのかい!」
「其れで状況はどうなのですか?」
とディーナ
「其れが今度はジャンドゥの鉄巨人が大挙して現れたとか。城の連中が苦戦した居るらしいぜぇ。」
「直ぐに行きます!」
「お前はどうするんだぁ、空渡よぉ?」
「俺は・・・・」
「あたしは待ってるぜぇ。」
とハニッサが言い残すと部屋を出た
「何の騒ぎですか!」
とホージョーが入って来た!
そしてディーナに気付いたホージョーは
「貴方は!」
「ごめんなさい。天上界に行く前に空渡さんに会いたくて・・・・」
「今の貴女は空渡さんにとって一番辛い存在なんです!空渡さんは行かなくて良いんですよ。」
ホージョーは悲しい表情で言った
「すみません!ですが空渡さんには来て欲しいんです!今後の空渡さんの事を考えると・・・空渡さん!貴方は其で良いのですか?貴方の様に大切な人を失う誰かが沢山生まれるかも知れないのですよ!」
その時海樹に代わり
「僕がエトランジュさんとして一緒に居るよ。その為に来たんだ!」
「勇太よ!今こそ立ち上がる時だぞ!」
長い沈黙を破ってブレスレットのガイバーンが激を飛ばした!
「そうさ、今がその時さ!」
とガラナも
「・・・・そんな辛い事海樹君にさせられないよ・・・・アリサ・・・俺・・・行くよ。」
「この世界はこの人を癒す時間さえ与えないと言うの!貴方はこの世界の人じゃ無いのだから、このまま元の世界に戻っても良いんですよ!」
「そうは行かないよ!このまま全てを捨てて行く訳には行かないよ!」
「勇太!」
部屋を飛び出しそうとした時、ホージョーが呼び止めた。勇太は振り向き
「必ず戻る!だから!」
「解ったわ!待ってる!」
とホージョーは勇太を見詰め応えた
勇太は部屋を飛び出しハニッサの元へ走って行った!
「おー!、来たか!空渡よぉ
今回はあたしも行くぜ!前回みたいな湿気た仕事じゃあ無くよぉ。まぁ止めても行くがよぉ!んー?兄弟!アンタも一緒かい
!」
「アンタはこの間のダークエルフか。確か前回は護衛の仕事をしていたとか。」
「ふん!今回は共に奴らをぶっ潰そうじゃないか!んー?」
「うむ!共に戦おうぞ!」
「空渡の回帰祝だぁ!派手に行こうぜぇ!」
「おー!」
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