第10話
ここは何処だろう?真っ暗で何も見えない。何時の間にかうつ伏せで寝かされてる。下は冷たいし埃っぽい、早く起き上がろう。
ゴン!
「あ!痛っ!」
直ぐ近くに天井が有る!頭をぶつけたお蔭で天井が少しズレて隙間から光りが見える。
「この天井動くぞ!」
僕は天井を動かし外に出た。何だろう?祭壇に居るのかな?足下を見ると石棺が有った。それにこの体は僕のじゃ無い!色白の女の人の体だし、白いひらひらした服を着る。
周りにはロウソクが有って明るいんだなぁ。洞窟の中に居るのかな。奥には光りが見えるなぁ。それに向かって歩いて行けば出口かも。そして僕は光りに向かって歩いて行ったら、外に出た。外は森だった。
何か鏡の様な物が無いか、探して歩いてみた。すると湖が見えて来た。僕は急いで湖に自分を映して愕然とした。そこに映し出していた者は美しいエルフの女の子だった。
「僕じゃない!」
「どうした?姉ちゃん!」
とその時後から声を掛けられた。そして後を振り向くと、50前後のオジさんが二人いた。
「お前!エルフじゃないか!これで人間は救われるぞ!」
とオジさんは喜んでいた。だけどもう一人のオジさんが
「このエルフを元に殖やさないか?」
「何でだ?」
「希少種のエルフを売れば金に成る。俺の曾祖父さんはダークエルフで稼いだらいからな。」
「それじゃあ・・・捕まえるか。」
何て人達だ!僕は逃げようとした時、オジさん達の後に黒い熊の様な怪物が現れた。
「うわー!獣魔だー!」
オジさん達が叫ぶと黒い化け物がオジさん達を殺して行った。今度はこっちに来る!
「誰か助けてー!」
その時!
「エアスラシャー!」
無数のカマキタチが黒い化け物を切り刻んだ!
「ライトニングアロー!」
光りの矢が黒い化け物を貫いた。そして黒い化け物は死んだ。僕はその場で経たり込んだ。
「大丈夫?ケガは無い?」
と頭の中から優しそうな女の人の声がした。
「え!?」
「私はこの体の持主のエルフ、ディーナ・シー、ディーナで良いわ。貴方は?」
「僕は海樹雪人、雪人で良いよ。」
「貴方の魂は異世界の女性の魂?」
「ゴメン、僕の魂は男だよ。女の人の魂だとどうなるの?」
「最強の戦士に成るわ。」
「最強の戦士って!?所でここは何処なの?見慣れない人や場所、それに貴方みたいなエルフさんとか。」
「ここはアルスナーダ、今この世界はさっき貴方を襲おうとした獣魔と戦っているの。だからこの戦いを早く終らす為に異世界の女性の魂を、私に宿さなければならないの。貴方の魂が女性だから宿ったハズなのに・・・・・・。」
「そんな事言われても・・・・。あ!そうだ!僕、人を探しているんだ!空渡勇太って人知らないかなぁ?」
「ごめんなさい、目覚めたばかりで解らないわね。」
「そう・・・・。」
「取り合えず、近くの村へ行きましょう。何か解るかも知れないわよ。」
「うん!」
僕等は空渡君を探して近くの村へ行った。
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