第5話

「待ってくれ!俺は殴ったりしないよ。それとここは何処?俺死んでるの?」


「ふざけないで!アンタに何れだけの人が殺されて来たと思ってるの!」


「違う!姿はガラナと言うダークエルフみたいだけど、俺はここの人間じゃないし、来たばかりだしそんな事してないよ。」


その時頭の中から女の人の声がして来た。


「お前は何だあたしから出て行けぇ!」


「誰だお前は!」


俺はその声に対して言った。


「アンタ達は何なの?1つの声の感じは、あの凶悪なガラナの様だけど。」


と、さっきのキズだらけの女の子が聞いて来た。


「俺は空渡勇太地球軍特務部隊ジサーブの

隊員だ。」


「ソラワタリ?チキュウグン?」


彼女は応えた。彼女には俺の頭の中からの声が聞こえている様だ。


「貴様よくも二人を殺したな!」


さっきの頭の中の声が言った。


「安心してくれ、二人は殺していない、気絶しているだけだ。」


「あんな奴ら殺せば良かったのに!」


さっきのキズだらけの女の子が叫んだ。


「この女ぁー!殺してやる!」


頭の中の声が叫んだ。その時体が勝手に動き始めた。


「早くここから逃げろ!体が勝手に動き始めたんだ!」


俺は目の前のキズだらけの女の子に叫んだ。


「やっぱり騙したのね!」


「いいから早く逃げろ!」


俺は勝手に動く体を難とか抑えようともがいた。難とか動く体でさっきの建物の前に有るテラスの柱に、自分の頭を打つけた。次第に気が遠くなって行って・・・・


ん?ここは何処だ?森の中か?俺は仰向けで寝かされて居た。もう外は暗くなっていた。


「気が付いたみたいね。」


さっきのキズだらけの女の子か。直ぐ近くにこっちを向いて座って居た。


「ここは何処?」


「さっきの酒場からそんなに離れてない森の中よ。全く無茶な事するわね。」


「よく言われる。」


「それとアンタを引っ張ってここまで来たんだから感謝してよね!」


「ああ、ありがと。」


あのキズでよく引っ張って来れたな。


「所でアンタは何処から来たの?」


「多分、他の世界から。」


「まさか人間の女の魂?」


「違うよ俺は人間の男だ。」


何か理由があるのか?


「女の魂だとどうなるんだ?」


「昔からの言い伝えだと、この世界のエルフに異世界の女の魂が宿った時、最強の戦士が誕生すると言われているの。」


「残念だけど俺は男だし宿ったのはダークエルフだし。」


そうか、だから刻波さんが狙われたのか。だけど宿ったのがエルフじゃない。


「所でここは何て世界なんだ?」


「この世界の名はアルスナーダ、そして私はクローディア。よろしくね。」


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