第53話

俺達は天上界のジャンドゥ基地の破壊に成功し、労奴として捕らえれた地上界の仲間と、天上界の多種族の民を救出した。


戦闘中、エルフの戦士の介入に、天上界の多種族の民達は、エルフの戦士が存在しているのを知り、喜んでいた。


リディアンさんは労奴として捕らえれた、民達が疲弊しているのを知ると、全体回復魔法を皆に掛けた。


そして労奴の収容施設の前に、皆が集まって居た。


辺りはジャンドゥ基地の残骸だらけだった・・・。ジャンドゥの生き残りが居れば、何か情報が得られるかも知れない・・・


俺はディーナさんを見付けると、駆け寄り


「ディーナさん!」


「空渡君!」


とディーナさん!いや!海樹君が抱き付いて来た!


「え!?海樹君?」


は!ディーナさんがアンチマジックフィールドを破って魔法攻撃したと言う事は!


「完全体に成ったんですか?」


「はい!」


海樹君からディーナさんに代わり応えた。


「と言う事は!海樹君の心は!」


「女性化したのでしょう。どうしてなのかは解りませんが。」


とリディアンさんが答えた。


すると突然ホージョーさんが


「レーナさん!」


「はい!この場面は視かと目に焼き付けました!御嬢様!」


「執筆はお願いしますよ!」


「お任せください!御嬢様!」


「私も混ぜて~!」


と乗っかるリスミーさん!


また良からぬ事で盛り上がってるぞ!


この人達は!


「あ!スタインさん!」


とクローディアが呼ぶ方を見ると


「空渡君!クローディア!そしてエルフの戦士殿!」


「スタインさん!無事で良かった!」


「君達のお陰だ!しかし以前より君は頼もしく成ったな!クローディアもな!」


とスタインさんに言われ正直、嬉しかった。其れにしても、スタインさんに会うのは、アンファングの外れの砦村以来だ。


俺はスタインさんを皆に紹介し、アードラさんとメーナの事も皆に紹介した。そしてスタインさんに、エルフの戦士が完全体に成った事を教えると、最も喜んでいた。


「空渡殿!此れはエルフ殿!」


声のする方を見ると、ユニコーン族のブラークさんとエルティナが居た。


「ブラークさん!エルティナ!」


「不覚を取ったで御座るよ!空渡殿!」


エルティナの話だと、強襲して来たジャンドゥは、アンチマジックフィールド掛けて来た為、不意を突かれ、一気に雪崩れ込まれて仕舞ったらしい。


そしてダークエルフ達は、魔法が全く使えず、一緒に居たリザードマンの奮闘も届かず、成す術も無く捕まったそうだ。


「は!ヘザーは?ディルは?」


「勇太!あたし等は大丈夫さ。」


声のする方を見ると、其所にはダークエルフのガラナの仲間の、ディルとヘザーが居た。


「アンタ達!は!しぶといアンタ達の事だから、心配してないけどねぇ。」


と不意にガラナに代わると


「ガラナ!久しぶりだな。アンタもしぶとく生きていて安心したわ。」


とディルは返した。


「二人共!久しぶりに会ったんだから、もう少し言い様があるだろうさ。」


とヘザーが割って入って来た。

すると突然


「済まぬ空渡殿!拙者が居ながら!」


とリザードマンの、ライケンさんが話し掛けて来た。


「ライケンさん程の手練れでも、敵わなかった様な事態では、仕方なかったでしょう。」


と俺は心底そう思って言った。


「そうさ、アンタは気に病む事は無いよ。アンタが奮闘していたのは、あたし等は近くで見ていたからね。」


とヘザーがライケンさんを擁護する様に話した。


「アンタがあたし達を助けて呉れたダークエルフかい?」


と後ろから突然両腕に羽があり、鳥っぽい背の高い美しい女の人が話し掛けて来た。


「この方はハーピー族の方でしょう。」


とリディアンさんが教えてくれた。


「私はミラーダ、此処から北にある城砦村のハーピー族の族長を遣ってる者よ。まさか獣魔の手先が助けて呉れるとはねぇ。」


俺はこれ迄の事情をミラーダさんに話し、ミラーダさんも納得した様子だった。


「そうだったの。一緒に行って戦いたい所だけど、済まないね。でも危なくなったら呼びなよ!直ぐにアンタ達を助けに行くから!」


とハーピーを呼ぶ羽を渡され、そして仲間が集まる所へ戻って行った。


「貴女が私達を助けて下さったダークエルフさん?」


と前から白い羽が背中から生えた、綺麗なお姉さんが現れた。


「ん!?天使の方?」


「まあ!獣魔の呪で半人化してから、良く間違われて仕舞うんですぅ。」


と顔を赤くして両手を頬に当てながら、嬉しい様な困った顔をしていた。


すると


「その方はペガサス族の方ですよ。」


とリディアンさんが微笑みながら教えてくれた。


「ちょっと勇太!何を然り気無く口説こうとしてるのよ~!」


とメーナとクローディア。


なんかディーナさんまで怒った顔をしてる!


「そりゃ~綺麗なお姉さんが現れたなぁ?空渡よぉ、んー?」


とハニッサさんまで!


「違いますって!」


「んまそうだに~。」


と鳥系の種族を見ると、補食仕様とするニャーニャ!


すると突然!


「此れは!何か良いネタの臭いがしますわ!御嬢様!」


とペガサス族のお姉さんを見たレーナさんが、食い付いたぞ!


「またお願いしますよ!レーナさん!」


とホージョーさんがまた良からぬ事を、レーナさんに頼んだぞ!


なんかまた二人で盛り上がってるし!


「あ!あの~・・・。」


言い出し辛そうなペガサス族のお姉さんに気付いた俺は


「あ!すいません内の変な人達が!」


「変な人達がとか失敬な!ですわ!」


とホージョーさん!


アードラさんがまた豪快に笑っていた。


「ま、まぁ兎に角どんなご用件ですか?」


とペガサス族のお姉さんに聞いてみた。


「私はフィリアと言いますぅ。此処から南にある城砦村でぇ、族長のお手伝いをしている者ですぅ。族長に代わりお礼がしたくぅ、此処に参った次第ですぅ。」


なんかおっとりしたお姉さんだなぁ~


「ではお礼に貴女を頂戴したいと思います。」


とブレスレットのガイバーンが勝手に話を進めているぞ!


「こら!ガイバーン!フィリアさんが困ってるだろ!ウソです!信じないでください。俺達は貴女方が無事で居て頂く事が望みです。なのでどうかお気使いにく。」


「では家で引き取らせて頂きますわ!」


とホージョーさんがまたバカを言って来たぞ!


収拾がつかないから止めて!


その後、何だかんだでお姉さんは一礼して、仲間の元へ戻って行った。


俺達は各種族達をグッドスピードに乗せ、其々の城砦村へ送り届けた。そして一旦体制を建て直す為、地上の仲間達をグリフォン族の城砦村へ避難させた。


翌朝、グリフォン族の城内の皆で宿泊した大部屋で、起きるとリスミーさんやホージョーさん達が慌ただしく現れた。


「ちょっとカワイイ子を見繕って、捕まえて来たわよ!」


「こら!離せ!」


それは誘拐じゃっ!?


「ナイスですわ!リスミーさん!」


「でしょっ!アリサちゃん?」


「良いセンスですリスミーさん!」


とリスミーさんとホージョーさんにレーナさん。


この辺りも何時の間にか、マブダチに成ってるぞ!其れにしても、何だ?この集いは?


「所で誰?この美少女?」


「じゃ無くて敵の士官クラスを拘束して来たのだろ?ん~?」


「所で何方?」


「何時までもボケてる場合では無いぞ!勇太よ!」


とハニッサさんとガイバーンに言われると、気を取り直し


「所で君の名は?それとジャンドゥの目的は?」


とボケた頭をフル回転して、ジャンドゥの士官クラスの女の子に聞いてみた。


「そんな事言う訳ないだろ!」


と捕虜にしたジャンドゥの女士官が怒った。


「悪い事は言わない、早く言った方が良い。彼女達に辱しめ(コスプレ)を受ける前に。俺なんかは以前、このホージョーさんにゴスロリにさせられたからね。」


するとホージョーさんが悪戯な笑みで、バニースーツをチラ付かせた。


「この服を着た絵をアルスナーダ中に撒き散らしますわよ。」


と悪い笑みで話すホージョーさん。


なんか悪人面してるぞ!


「くっ!殺せ!」


「あら?女騎士のコスプレの方がお好みかしら?レーナさん!あの服を。」


「はい!御嬢様!」


するとレーナさんが奥からビキニアーマーを持ち出して来た!


どんだけ用意周到なんだよ!


「先ずはこの服を着て、市中引き回しね。」


また悪い顔で話すホージョーさん。


なんか楽しんでるでしょ!


「それじゃそろそろあたしの出番かねぇ。」


と突然ガラナに代わると


「先ずはその軍服を脱いで貰おうかい。」


不味いぞ!ガラナに任せると、倫理的に宜しくない展開に成りそうだぞ!


「何だかワクワクして来ましたわ!」


とホージョーさん!


いやいや!其処はワクワクです所じゃ無いから!


「そんな事をしなくても、魔法で自白させますよ。」


とリディアンさんが申し出て呉れた。正直ホッとした。


リディアンさんはジャンドゥの女の子の士官を椅子に座らせ、何か唱え始めた。そして自供させるよう、リディアンさんが俺に促した。


俺は彼女の名前とジャンドゥの目的を質問した。


彼女の名はメイユウ、俺と同じ少尉クラスだそうだ。彼女に命令去れた事は、前線基地の拡張と周辺の制圧だそうだ。


俺は以前から気に成っていた事を、メイユウに聞いてみた。


「君の国には異世界から来た人間は居るか?」


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