第56話

天上界のグリフォン族城砦村の城内、アードラさんが居る広間に集り、今後の方針を話し合っていたその時、突然メイユウが現れた。


「私が行って地下組織との接触に協力します!」


と走って来たのか、行きを切らしながらメイユウが話した。


その後ろから廊下を走り、広間に入って来るグリフォン族の兵が現れた。


「大変です!アードラ様!外に巨竜が二体現れました!」


その時広間に緊張が走った!


「何だと!」


と驚き玉座から立ち上がるアードラさん!


そして急に黙り込んで下を向き、何か様子が可笑しいメイユウに気付いた。


とその瞬間!


光に包まれメイユウが甲冑を着た、見知らぬ女の子に変化した!


「ハハハハ!我は魔竜王グランヴェルグ!待ちわびたぞ!真の黒きエルフよ!否!エルフの戦士よ!」


とその甲冑を着た女の子が俺に向かって話し掛けて来た!


「竜魔王だと!何故地上界に住まう魔族の長が!気を付けるのだ!空渡殿!」


とアードラさんが警戒を促した!


すると広間に居る皆が身構えた!


「グランヴェルグは獣魔達と対立してはいますが、人間等の味方ではありません。」


とりディアンさんが説明した。


続けて一羽のハーピーが飛んで入って来た!


「久しぶりじゃな!勇太よ!否‼千年ぶりと行った所かのぉ。」


何で俺の名を知っているんだ?


「この波動は!青龍殿!」


とりディアンさんが言った!


「さあ!あの時の約束を果たして貰うぞ!」


とグランヴェルグを名告る女の子が俺に話し掛けた。


何の事だ?あの時の約束って?

大体この子に会った事がないし


「済まない、俺は貴女に会った事がないし約束した事がない。」


と俺はその子に返した。


「忘れたのか?勇太よ?お主らの世界でワシにエリちゃんと名付けた事を?」


とハーピーの女の子が話してきた。


何の事なんだ?


「ごめん!本当に何の事か解らないんだ。」


と応えるしかなかった。


「お主はあの時のお主では無いのか?」


とハーピーの女の子が言った。


その時ハ!とするりディアンさん!


「若かしたら私の所為?」


とりディアンさんが呟いた。


りディアンさん?


「貴様!約束を破るのか!」


とグランヴェルグを名告る女の子が怒り始めた!


「待って下さい!お怒りを納め下さい!その原因は私かも知れませんので!後程説明致しますので!」


りディアンさんが必死に俺を庇う姿を見た俺は


「何の約束をしたんだ?俺が出来る事ならやるけど。」


するとグランヴェルグは語り始めた。


過去の吉祥寺の出来事と約束した事を


「其なら此から此処に居る獣魔討伐軍で倒しに行く所さ!ただ・・・・」


俺は問題に成っている事をグランヴェルグに話した。


「ハハハハ!そんな事なら我等に任せるが良い。ジャンドゥ等蹴散らして呉れるわ!其れと私も行くぞ!奴等には多くの眷属が殺られたからな。」


とグランヴェルグが強い決意を示した。


「ただ奴を信じて良いかは疑問が残るが・・・・」


とスタインさんが険しい表情で呟いた・・・


「なら我等グリフォン族が控えようではないか!ハハハハ!」


とアードラさん!


「あたし等も居るぜぇ。」


とヘルハウンド族の族長のザンナさんが現れた。


「何故魔族の貴様が此処に!」


とザンナさんを見たグランヴェルグが驚いていた!


「まあ、このアードラ殿に世話に為ったし、其れにこの空渡殿に一族の仇を討ってくれたしなぁ。」


とザンナさんがグランヴェルグに話した。


「うむ!貴様等は我等が必ず守る!」


とグランヴェルグが強く約束した!


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