第47話

俺達はグリフォン族の城塞村で、獣魔とゴーレム達に加担する巨人族のギガースとの戦いに勝利し、城内に居る族長との謁見に向かう事と成った。


族長の居る城は、西洋に在るような石組み造りの大きい城だ。村の中央に在り、ゴーレム達に包囲去れながらも、耐え抜いていた城だった。俺達は今、その城内に居る。そして長い通路を通り、突き当たりに大きな扉あって、左右に護衛が二人居た。


「貴様!ダークエルフ!」


と護衛の二人が身構えた!


「待って下さい!このダークエルフはこの城塞村を守り抜いた味方です!其と此処に居る方々は、このダークエルフお仲間です!」


とメーナが釈明してくれた。


「此は失礼しました!」


と二人の護衛は片膝を着いて謝罪した。


その護衛が扉を開けると、グリフォン族の武官クラスらしき人物数人と衛兵が10人位いた。そして奥の玉座に座るグリフォンの族長らしき屈強そうな見た目40歳位の女性がいた。


「むむ!ダークエルフ!」


と数人の幹部クラスらしき人物達が身構えた!


「慌てるな!」


と族長らしき人物が一喝した!


「族長!エルフの戦士殿を連れて参りました!」


とメーナが進言すると


「ん!ご苦労!私はこの城塞村を統べるアードラだ。」


「俺は空渡勇太!異世界から転移して仕舞い、このダークエルフの女の人のガラナに憑依して仕舞まった者です。」


そしてガラナに代り


「あたしはガラナ。地上界から来た者よ。」


またガラナから代り


「仲間のクローディアにリディアンさんにハニッサさん、其にニャーニャにリスミーさん。」


と皆を紹介した。


「所で君がエルフの戦士殿か?見たところダークエルフの様だが。」


俺はアードラさんにエルフに成る条件と、未だ長くはエルフでは居られない事を話した。


「そう言う事だったのか。其にしてもありがとう!君達のお陰でこの城塞村は難を逃れた。改めて感謝する。」


とアードラさん笑顔で喜び感謝していた。


「おい!戻ったぞ。」


遅れてキャリブレーンがやって来た。


「そして・・・コイツが大魔道士のキャリブレーンです・・・・。」


その名を聞いた瞬間!アードラさんの表情が険しく成った!


「その娘がキャリブレーンだと!」


今はホージョーさんに憑依しているからだ。


その時、周りがザワついた。


「ク、ク、ク、如何にも俺がキャリブレーンだ。」


と不敵な笑みを浮かべながら言った。


「貴様には先の戦いで多くの犠牲を払った!今此処で貴様を倒す!」


と険しい表情で玉座から立ち上り大剣を放ち、アードラさんが言い放った!


「待って下さい!キャリブレーンが憑依しているその人は、俺の大切な人なんです!」


「何!」


俺の言葉で一瞬止まった、だけど問答無用で叩き切りそうな姿を見たリスミーさんが


「大丈夫ですよ!族長さん!私が手綱を握ってますから!」


と笑顔でリスミーさんが空かさず言った。


「う!姉さん・・・。」


リスミーさんの言葉で急にシュン!と為るキャリブレーン。


「お姉ちゃんね!」


「う!お!おねえ・・・・・」


「リスミーさんは全ての物を吸収する力が有ります。だから伊座となれば!」


とリディアンさんが説明した。


「しかし、この男には一族の怨みがあるのだ!」


「この先の戦いではこの男の力必要となるでしょう。なのでどうか!」


リディアンさんが更に補足した。


「まあ、あたし等も居るしよぉ~んー?」


とハニッサさん


「メーナさんなんかに負けないんだから~。」


とクローディア。なんか可笑しな事を口走ってるぞ!


「ちょっと!ちょっとぉ、其はどう言う事かなぁ~?」


とメーナ。なんか女の戦い勃発しそうな・・・・


「おっちゃん旨そうだに~。」


可笑しな事を口走るニャーニャ!


おい!


「私を忘れていないか?勇太よ!」


「腕輪が喋った!」


と一人の武官が驚いていた。


「その腕輪は?どんなカラクリで出来ているのだ?」


とアードラさんが不思議そうな表情を浮かべていた。


「コイツは俺の相棒のガイバーン、異世界から持ち込んだ物で、ストライク!?鉄巨人に成ったり、鉄の鳥に成ったり様々な道具を作り出せるんです。」


「おお!素晴らしいではないか!」


とアードラさんが感心していた。


「はじめまして!アードラ殿!私はガイバーン!勇太の相棒だ!よろしく頼みますぞ!ガハハハハ!」


「うむ!中々頼もしい相棒殿ではないか!エルフの戦士殿!ハハハハ!」


とアードラさん。

そしてしばらく考え


「うむ!仕方なし!」


「しかしアードラさま!」


と武官の一人が!


「確かにこの男の強大な力は、後々必要となるだろう。今は苦汁を嘗めるとしよう。」


「ありがとうございます!」


と俺はアードラさんに感謝した。


「所でアードラさま。」


「ハハハハ!エルフの戦士殿!アードラで構わないぞ!」


「其ではアードラさん?今この天上界はどうなっているのですか?」


「うむ!先ずはこの天上界には多種多様な種族が点在している。そして我々の様に強固な城塞村や都市を形成していて、獣魔からの攻撃に対処している。しかし様々な事情で獣魔に下る種族も少なくはない。」


「其ではダークエルフの種族は?」


「奴等の手先だ。」


やっぱり・・・・


「其と獣魔の長サタン、奴は増悪の塊の様な男で、全てを憎み全てを滅ぼす、そんな男だ。奴を倒さなければアルスナーダは死の世界に成って仕舞う。既にこの男の為に千年周期が失われている。頼む!エルフの戦士、空渡殿!奴を倒してくれ!」


千年周期、以前リディアンさんか誰かが言ってた。千年周期で獣魔が復活して、其に合わせる様にエルフの戦士も復活すると。


その周期を崩す為、エルフを根絶やしにし、そのエルフを汚しダークエルフを産み出したと・・・・


「しかしサタンには魔法が効きません。」


リディアンさんが割って入って来た。


「ではどうやって奴を倒すんですか?」


「エルフさんと異世界の女性の魂が憑依したエルフの戦士さんか使う魔法です。しかしエルフさんと異世界の女性の魂の信頼関係が強く無ければダメなんです。」


「其じゃディーナさんは完全体には成れないんじゃ!」


「現状でも方法が無くも無いなのですが、ただ一度だけディーナさんに」


とリディアンさんが何か言い掛けた時!


「大変です!もう一人エルフ殿がダークエルフ達に追われ其方に飛んで向かって来ます!」


外のグリフォン族の衛兵が突然入って来た!

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