第49話

ディーナさんを救出してから数日、気持ちも落ち着いた頃、 グリフォン族の城砦村から西の方へジャンドゥに拘束されたと思われる、砦村の民兵達とダークエルフとリザードマン達、そしてユニコーン族達を探す為、ガイバーンと共に捜索に出た。そして前方に城砦村を発見し、近くの森の中の少し開けた所に、飛行形態のガイバーンを着陸させた。


俺は飛行形態のガイバーンをブレスレットに戻し、辺りの様子を見る事にした。


ガサガサ!


ん?気のせいか?後ろの方から物音がした様な・・・・


「さあ!行くぞ!勇太よ!」


とブレスレットのガイバーンにせっつかれ、俺は森の中を前へ歩き始めた。


すると突然、前から人影が現れ


「お姉ちゃんだぁれぇ~?」


と魔女っ子の様な服を着て、黒っぽい毛と肌で顔が犬っぽい女の子が現れて言った。


「お姉ちゃんじゃ無くて、お兄ちゃんだよ。」


と俺は言うと


「え~?、お姉ちゃんだよ~。」


と言われて仕舞った・・・・

まあ今はダークエルフとは言え一応女の子だからなぁ~


「ほら!勇太!この子に聞いて見なよ!」


とガラナが言うと後ろから


「キャー!この子カワイイー!持って帰りた~い!」


と犬っぽい顔の女の子に誰かが抱き着いた!


「え!?リスミーさん!何時の間に!っと言うか事案が発生するから止めて!」


と言うと


「お姉ちゃんね!」


と返すリスミーさん


「う!お姉ちゃん・・・・」


「さあ!お姉ちゃんと一緒に行こうね!」


と犬っぽい顔の女の子の手を繋ぎ、連れて行こうとするホージョーさんが現れた!


「コラコラコラコラ!」


お巡りさ~ん!


何時の間にかホージョーさんまで!


「じゃあ、おぢちゃんと一緒に良い所に行こうか!」


ガイバーン!


「お前もか!」


何遣ってるんだかこの人達は!


疲れる・・・・


その時!


「何処に行ったのー?アイネちゃーん!」


と奥の方から母親らしき女の人の声が聞こえて来た!


「お母さーん!こっちー!お姉ちゃん達といっしょー!」


とアイネと言う名の女の子が応えると!


息なり大勢の黒っぽい犬の様な

女の人が現れた!


「奴等はヘルハウンド族、さっきの子はヘルハウンドの子供だったみたいだね!」


とガラナが教えてくれた。


「貴様!ダークエルフ!それと人間の女と鬼族の女!捕らえろ!」


「勇太よ!」


不味い!ホージョーさんも一緒だ!


「あー!ちょっとちょっと何するのよ~!」


と一瞬の内にリスミーさんが拘束された!


「リスミーさーん!」


「空渡さん!」


ホージョーさんまで拘束されて仕舞った!


「ホージョーさん!」


突然の事で皆成す術もなく捕まり、そして城砦村の城の地下の牢やに閉じ込められて仕舞った。


周りは石垣で薄暗く前に鉄格子、そしてロウソクが前の通路の壁に点々と設置してある。何か寒い。


「後でお前達に話があるわ。特にダークエルフのお前には。」


「おい!待て!」


ヘルハウンド族の女の人が言い残し去って行った。


その後、ホージョーさんとリスミーさんに話を聞いたら、どうやら飛行形態のガイバーンの後ろのシートに、隠れて着いて来たみたいだ。ガイバーンもグルだったらしい。事の発端はホージョーさんが俺の事を心配しての事だとか。リスミーさんはホージョーさんの保険として、多分キャリブレーン対策だろう。護衛も兼ねて・・・・


だけ、とは思えないけどね!


等と考えていると


「温か~い!」


とリスミーさんが突然、後ろから抱き着いて来た!またリスミーさんの胸が背中に!


「ズルイですわ!リスミーさん!私も!」


と今度は前からホージョーさんまで抱き着いて来た!


今度はホージョーさんの胸が当たって、自分の胸!?いや!ガラナの胸とホージョーさんの胸が当たって・・・・


こ、此れはたまらない!


「ちょっとアンタ達!どさくさ紛れに何遣ってるのよ!」


と突然ガラナに代わると、二人はげんなりして離れた。


何遣ってるんだか、この人達は・・・・


とバカを遣って騒いでいると


「その声はお嬢様!?」


「まさか!レーナさん?」


どうやら隣の独房にレーナさんが、捕まっているみたいだ。

あのヘルハウンドの子供が着ていた服のセンスで、まさか!とは思ったけどやっぱり!レーナさんの仕業か!


レーナさんは、ホージョーさんを追ってジャンドゥの基地の強襲揚陸艦に密航、そして途中で強襲揚陸艦から脱出、偶々ヘルハウンドの子供に悪さ(コスプレ)させて捕まったらしい・・・・


何遣ってるんだかこの人も!


気を取り直し、俺達は脱出の相談をした。だけどこの監獄にはアンチマジックフィールドが張られ、魔法が効かない。だけど俺とガイバーンの、魔法じゃ無い力なら破れるハズだ。アードラさんも其処を知って、サタンを倒してくれとの頼みだろう。


その時!


ドーーーーン!


「何だ!」


外が騒がしい!


「鉄の鳥が攻撃しているわ!外の援護を!」


看守達が騒いでいる!


「此れは爆弾の音だぞ勇太よ!其れにストライクフライヤーのエンジン音もするぞ!」


ブレスレットのガイバーンが言った。


「おい!俺達を出せ!俺達も戦う!」


俺は近くに居る看守に呼び掛けると


「バカを言うんじゃないよ!お前達は其処に居るんだよ!」


と返された!


「く!」


「勇太よ!」


「ああ!皆離れて!」


俺は鉄格子の前に立ち、気の力を手の平に集約し始めた。


「居合掌!」


バァァァァァァァァァン!


鉄格子は吹っ飛び!正面の通路の壁まで破壊して仕舞った!


ガラガラガラ


「ちょっとユーちゃん遣り過ぎ!」


「ゴメン!」


手加減したハズなのに前よりパワーが上がってる!此れも陰ながらトレーニングをした結果か。


「空渡さん!」


「大丈夫!さあ!脱出しましょう!」


俺達はレーナさんも助け、ヘルハウンド族の戦士達を蹴散らしホージョーさんをリスミーさんとレーナさんとで庇いながら、牢獄を脱出し外ヘと出た。


レーナさんが槍使いなのをこの時知った。


外に出ると沢山のジャンドゥのストライクフライヤーが、ヘルハウンド族の城砦村を爆撃していた。そして城砦村の外にはジャンドゥの空中強襲揚陸艦が2隻と、空中巡洋艦クラスが1隻いた。


ヘルハウンド族の城砦村内魔道士


「射てー!射てー!く!此のままでは全滅して仕舞うわ!」


ヘルハウンド族の魔道士も、魔法の光の槍で応戦している。


でもヘルハウンド族の戦士や魔道士達も、沢山倒れていた。


「く!何を遣ってるんだアンタ達は!攻撃し易い所から攻撃しやがって!もっと先に倒さなきゃ行けない敵が居るだろ!」


俺はつい頭に血が昇って叫んで仕舞った!


「待てー!」


追って来たヘルハウンド族の戦士に


「危ない!下がってろ!アンタ達にも当たるぞ!」


俺は手の平を向け制止した。


「ガイバーン!」


「解っている!私も頭に来ている所だ!」


ガイバーンは光と共に粒子が集りストライクランダー形態で現れた!そしてマテリアルチェンジで対空ミサイルの重武装をした。


上空のジャンドゥパイロット


「あんな所にストライクランダーが1機居る。たった1機で何が出きる。」


ヘルハウンド族の城砦村内


「フルファイアだ!ガイバーン!」


「了解!全弾発射!」


パッシュュュュュュュュュン!


ガイバーンは多弾頭ミサイルを全弾発射!上空の多数のジャンドゥのストライクフライヤーを攻撃全滅させた!


ジャンドゥ艦艦橋


「奴が現れました!」


「射てー!射ちまくれー!」


ヘルハウンド族の城砦村内


「ガイバーン!今度は援護砲撃中の空中巡洋艦クラスを撃沈だ!」


「了解!対艦ビーム砲発射準備、発射!」


ズシューーーーーーーン!


空中巡洋艦は爆発しながら地上に落下した。


そしてジャンドゥ艦隊は退却して行った。


「凄い・・・・あれだけいた鉄の鳥を一瞬で全滅させたわ。」


「あの鉄の船まで・・・」


追って来たヘルハウンド族の女戦士が呟いた。


「俺達は貴女達には何もしない。聞きたい事があって来たんだ。」


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