新創世記 ―― 新たなアダムとイヴを創る物語。
人類が一度、死滅してしまった世界――。
数百年もの時が過ぎて自然環境がようやく生命の住める状態に戻った時、人の遺伝子が保管されていたある施設が稼働を始め、管理AIが遺伝子操作した新たな人類の製造を始めた。カシアもそんな課程で造られた子供の一人で14年間を隔離された部屋で過ごしていた。そんなある日、マトリカリアと呼ばれる教育用ロボットに外へと連れ出され、《エデン》と呼ばれるドーム状の施設でひとりの少女と共同生活を始めることになった。初めて出会った異性に戸惑いながら日々を送っていたカシアだったが、パートナーの少女が決して手をつけてはいけないと言われた《赤い果実》をもいだことで、運命の歯車が大きく動き始める。