エデンの外へ

現在、第14幕まで読了いたしました。
崩壊後の世界というSF的世界観の本作ですが、設定も文体も読みやすく序盤から引き込まれました。

主人公が目覚めたのは奇妙に清潔で脱臭された一室。
彼はそこで健やかに幼年期を過ごし、やがて箱庭へと向かいます。
囲われた世界にあっても主人公の視点はみずみずしく、読者と共に世界の在り方を学んでいきます。
これらの日常描写と主人公の成長を描く手腕は群を抜いています。
コメディタッチでありながら落ち着いた文体もグッドでした。
知らず知らずのうちに感情移入してしまし、人物のかけあいだけでも読者の心を鷲掴みです。

その上で、本作にはSFのエッセンスがてんこ盛りです。
日常を通して描かれる疑惑や不信感。これらはやがて主人公と対峙し物語は大きな転換点を迎えます。

この先主人公たちがどのような道を歩むのか。
続きも楽しみに読ませていただきます。

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