概要
遠未来、月都市。葬儀センターに持ち込まれたロボットを巡るささやかな交流
月都市の葬儀センターに、白い箱を抱えた少女が現れる。
「ピートが……猫が死んじゃったの」
箱の中には、猫型の家庭用愛玩ロボットが眠っていた。
資源センターでのリサイクルを拒否する少女と、葬儀センターの受付業務を担う青年型アンドロイドのひとときの交流、人工知性の死と流転を描くSF短編。
※完結済み作品「Candlize」のスピンオフ作品ですが、単独でもお読みいただけます。
「ピートが……猫が死んじゃったの」
箱の中には、猫型の家庭用愛玩ロボットが眠っていた。
資源センターでのリサイクルを拒否する少女と、葬儀センターの受付業務を担う青年型アンドロイドのひとときの交流、人工知性の死と流転を描くSF短編。
※完結済み作品「Candlize」のスピンオフ作品ですが、単独でもお読みいただけます。
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!万物は流転する。けれど、消えはしない。
舞台は月面の葬儀センター。
少女が息絶えたペットロボットを持ち込むところから物語は始まる。
月の資源は貴重だ。
たとえそれがペットロボットであっても、毛皮や筋繊維に至るまでリサイクルされてしまう。
ペットロボットに限らず、月にあるインフラやロボットは耐用年数を過ぎれば分解され、別の製品へ形を変えてしまう。
私達がするように、亡骸を墓にとどめることはできない。
影も形も無くなって、もう二度と会えなくなってしまうのだ。
……この事実を、年端もいかない少女にどう伝えるべきか。
それが葬儀センターに勤める男に課せられた仕事。
彼は淡々と事実を伝える。
少女が理解できるように、少しずつ、言葉を選…続きを読む