近藤銀竹

人生の一大イベントを迎えようとしていた少年の前に『エイリアン』が現れ、入れ替わりを提案されて新しい人生を歩み始める話。 入れ替わったエイリアンの身が巡り巡って、粛々と仕事をしてい…続きを読む

肉への執着を持って異世界転生した主人公のお話。 主人公が「ドラゴンを食べる」という目標一点に向けてひた走る姿は読んでいて清々しい。 男の子とちょっと「おおっ？」てなりそうなのに…続きを読む

読むと「透明」が鮮やかに迫ってくる。 透明が美しく描かれ、その輝きに惹かれながら読み進めていく。 透明が主役で、他の色は控えめに脇を飾っている。 ところが、最後の最後にずっと控え…続きを読む

　リアは語る。 　僕にだけ。 　Vtuber・リアと僕との、一夜の邂逅。動画サイトの中だけの存在だったはずの彼女が僕のスマホにやってくる。夢のような話だが、そうでもないらしい。…続きを読む

　紡流と呼ばれる異能が存在する世界で、強すぎる力を持った主人公が戦いに引き込まれていく物語。 　次々と現れる、力押しでは勝てない強敵に、主人公のイクサが機転を利かせて立ち回る。 　…続きを読む

大質量で迫る作者のロボ愛が心地よい！ ロボ好きの少年がひょんなことから地球を守るロボットのパイロットになる話。 ニヤリとさせられる人物同士の掛け合いや、数々のロボットアニメの歴…続きを読む

誰もが多かれ少なかれ覚えがあるに違いない、攻めか！待ちか！の恋の物語。 ＞頭脳明晰容姿端麗、高身長にナイスボディ。持ってないものは彼氏くらい（あとお金）。 という主人公の美代…続きを読む

まず、物語を読み始めると、旅の風景の鮮やかさに魅入ってしまいます。 ブルージュへの旅で見つけた骨董品店。主人公を惹き付けるその佇まい。「ここへ行ったらきっとこんな空気を感じるんじ…続きを読む

晴れやかな気分になれると同時に、幸せのおすそわけをもらえる物語でした。 主人公の美沙は外見に自信がない。そんな彼女がモデルで美容男子の蔵田くんに出会ってから、世界が変わっていきま…続きを読む

妖しげな雰囲気から始まるこの物語ですが、主人公も猫のアルカディアもとても可愛いです。 そのギャップに惹き込まれました。 建物の内と外のギャップ。 主人公たちと来訪者とのギャップ。…続きを読む

このエッセイについては賛否両論あると思います。 　私は新しい命を授かるということについて改めて考えさせられましたし、詩一さんは命というものにとても真摯に向き合っていることが伝わ…続きを読む

これが「メリーバッドエンド」ってやつかー！ 魔女ツェツィーリエを捕えに来た聖騎士ギルバート。 捕縛をのらりくらりとはぐらかすツェツィーリエの家へギルバートは通い通し…… 二人の…続きを読む

　主人公のブッ飛んだ告白から始まるこの物語、ハイテンションのラブコメかと思いきや、ヒロインの境遇や主人公の決断と秘密など、青春と恋愛に関わる多彩なシーンを楽しめます。 　偽りの序盤…続きを読む

　カクテルに込められたバックストーリーを通して語り合う男女の物語。 　モチーフといい、バーの描写といい、おしゃれな雰囲気が流れます。 　そんな中で心をすれ違わせるマヤと蓮。 　大…続きを読む

妹を救うため、妹を殺して殺して殺し尽くす―― 冒頭からの衝撃的な展開に、否応なしに引き込まれました。 徐々に狂気に染まっていく物語。 マトモなのは私？　あなた？　それともあいつ？…続きを読む

大切なものを失って校舎の屋上に独り居る律葉。 そこに翼と名乗る後輩がやってくる。無遠慮に距離を詰めてくる翼は、実は…… ある瞬間を生きたときに傍らにあった音楽は、その思い出が必要…続きを読む

４月の花吹雪の中、何やら事情を抱えた二人が偶然バス停で出会う。
二人はどこから来て、どこへ向かうのか。

二人の来し方と行き先に思いを馳せて楽しみました。

主人公が自分を飾って生き、最後に「そうじゃない」という心境に至る変化が、生々しく、心動かされました。

徐々に大人へ変化していく様を見守っているようでした。

紙コップだろうか。
使い古された深皿だろうか。

いつもそこには銀世界がある。



涼ませていただきました!

とても綺麗で、それでいて額にはめようとするとすり抜けていくような、不思議な景色の中に物語が広がっていました。 雪が降る東京は深海にある。 何か、何があったのか? そこにいる夏季と…続きを読む

雪とともに現れた彼は雪とともに消え、恋しさだけが残った。 雪に降られて立ち往生する主人公を助ける彼。だが彼は、雪解けとともに主人公の前から姿を消してしまう―― 主人公が、忘れよ…続きを読む

束縛の特別な形。 主人公の霞は、日常生活を営んでいるときであっても、急に傷や痣ができてしまう奇病に冒されている。 そんな奇病も気にせずつるんでいる友人のソナタ。彼女は霞のことが好…続きを読む

売れないバンドマンである主人公は、乗り間違えた電車で、過去に肌を重ねたファンを名乗る女性の姿を発見する。 未だにくすぶる主人公と、新たなバンドを追いかける女性との対比や、雪になぞ…続きを読む

天才、会長、美少女、非の打ち所がない完璧な幼なじみの毬萌が、主人公の公平の前でだけみせる残念モード。 気付け。気付けよ公平、いろいろと！ 差し伸べた手を転倒して回避される類いの…続きを読む

人物のバックストーリーが自然と頭に入ってくる描写に、衝撃を受けました。研ぎ澄まされた文章って言えばいいのでしょうか…… レビューとしてお伝えできないのがもどかしい。これ以上は分析の…続きを読む

心の荒れが収まっていく物語でした。 奇妙な二人の旅人が、寝台列車の車内で交流する姿は、緩やかな死への階段を下りていく鶴と、無限の未来が広がる鶴のよう。 そしてひたすら変わらず、美…続きを読む

「焦がれる気持ち」が様々な角度から胸に迫ってきます。 それぞれの物語の主人公が置かれている、冒頭の「欠けた状態」が、最後にどんな結末を迎えるのか…… 心が震えます。読むと心が綺…続きを読む

多くの高校生が胸の奥にしまい込んで目を背けることを、小鳥遊さんは問う。 「どうして」と。 未だ庇護されている立場の人間であれば、その問いに答えるのは憚られます。 しかし『僕』は、与…続きを読む

空園女史、尊い！ これはやはり、財閥ならではの様々な表裏工作の積み重ねによって…… いやいや、 空園女史の心が深山幽谷に降り積もる雪のように清らかだからに違いありません！そうに決ま…続きを読む

文字を追っているだけなのに、歌が聞こえてきました。もちろん幻聴なのですが。 メゾソプラノくらいの、ソロです。 無償の愛を分け与える天使。 それを受け取った人が、世界に優しさを振り…続きを読む

読了して最初に思い浮かんだのは、「カマキリ」でした。 タイトルの掛けことばに隠された意味がわかったとき、新たな命を授かるということへの畏敬の念が湧きました。 音からイメージする軽…続きを読む

死んだトムの記憶をコピーされた『僕』。 カスミとの暮らしの中で、トムとぴったり重なっていたはずの『僕』の存在が次第に揺らいでいき、次第に『僕』＝『僕』になっていく様が心に響きました…続きを読む

豪雪によって閉ざされた北国で、人命を守るためにスコップを振るう雪掻き隊。 「何とかなるっしょ。俺強いし」みたいなものは一切出てきません。 綿密に計算して人命を救いに行くも、自然の猛…続きを読む

生き場所を求める『僕』と、死に場所を求める彼女。 彼女からシャングリラという言葉を聞いた『僕』は、次第に彼女の語るシャングリラに引き込まれていきます。 月や星は天蓋に空いた穴。毎夜…続きを読む

まさか、水瀬の視線の先でそのようなことになっているとは！ 芸術的カメラワークで一花の周囲の状況が徐々に明らかになっていく様は、驚きと共に映像となって脳に流れ込んできました。 喪…続きを読む

の災厄を取り払うための人柱、『アリス』。 『アリス』に選ばれた少女リーエと、彼女を救うべく暗躍する使用人ロイの物語。 『アリス』という名から、無垢さや大人の世界に汚されていないイ…続きを読む

『君』が大切にしている花。 花の命は短い。 花が散っていくさまは、『君』の行き着く先を『僕』に容赦なく突きつけます。 その暗示に打たれながら、『君』との日々を過ごした『僕』は、どれ…続きを読む

いつの間にか好きになっていた彼女は、余命いくばくを通り越して既に命を失って久しい。 冒頭から切ないかと思いきや、明るい幽霊の椿が主人公の洋介を振り回していく。 二人のどたばたに引…続きを読む

魔王の国に、勇者襲来す。 しかしこの勇者、どうも様子がおかしい。 魔王が境遇を気に掛けるほどの境遇をもつ五十路勇者が次第に打ち解けていく様子を、第３話まで読んでいきました。 そし…続きを読む

心が壊れていく描写が、恐ろしいほどに美しいです。 第三者としてその様子を読んでいるだけだった筈なのに、その闇にスッと引き込まれ、そして最後にスッと現実に戻されました。 壊したくなる…続きを読む

あらゆる卵料理を目玉焼きにする能力者、玉子石君代と、彼女に惹かれながらも振り回される目黒焼。 冒頭からお互い好き合っているニュアンスを匂わせます。そんな甘酸っぱいシチュエーションを…続きを読む

最後の戦いを迎えた勇者と魔王。その過去は想い合う二人。 理不尽を強いる世界に打ちのめされた魔王は、研究していた魔法で世界を滅ぼす。 美しい滅びを迎えた世界が、魔王にとって僅かでも…続きを読む

ポンと叩く度に、妻に関わるものが消えたり現れたり。
それは魔法なのか、それとも別な何かなのか。
霧に包まれていくような結末も、想像が膨らみます。

フレーズの一つ一つが詩的で心に迫ります。
前半はひんやり、後半は暖かく切ない気分になりました。

それは現実なのか、幻なのか。 シーンの欠片が現れては消える物語。 蒼いモザイク画のような世界に迷い混み、読者はいつの間にか求め合う二人の想いにシンクロしていく。 想いに素直に生きた…続きを読む

人形達の出会いは人間以上に人間的。感情を持つ四人の人形達がめぐりあったひとときに引き込まれます。 そして、感情は相手があってこそ生きるものなのだろうと考えました。 ソフィアは持ち主…続きを読む

「書かなければ死ぬ病気」に罹った先輩と、彼女に焦がれる主人公の恋と奇妙な共同生活の物語。 淡々と物語を紡ぐ先輩と、それを黙々と支える主人公。 病はどうなっていくのか。 想いは伝わ…続きを読む

ミスマッチへの興味から始まったお付き合い。 すれ違うことを楽しみ、すれ違うことに悩む。 そして、違うからこそ愛せるという事実に気付く。 違う角度で星を一筆書きするように、交わらない…続きを読む