宇宙で死んだの主人公トムは、恋人のために自分の記憶をコピーした電子脳『僕』を作り出す。戻ってきた『僕』に喜んでくれた恋人だったが……。僕はトム本人なのか?それともただのコピーなのか?死してなお恋人を想う気持ちに震えました。ぜひご自分の目で結末を確かめてみてください!
一種の哲学的な要素があるのだが、唸ってしまった。『僕』は『僕』であるが『僕』ではない。単純でいて単純ではない心理の動きと時間の流れ。上手いと思った。心が揺らいだ。人は温もりを欲する生き物である。そのバランスがこの物語の中にはある。
胸が締め付けられるような心を揺さぶる作品でした。作中の技術は近未来に予測されている?開発されている?技術で感動だけではなく、非常に興味深い内容でした。本作のように優しい世界であればいいと感じました。
死んだトムの記憶をコピーされた『僕』。カスミとの暮らしの中で、トムとぴったり重なっていたはずの『僕』の存在が次第に揺らいでいき、次第に『僕』=『僕』になっていく様が心に響きました。カスミに銃口を向けられることすら『僕』にとっては幸せな結末だったのではないかと思えてしまいます。
なかなかできません。でもなお、愛しているのならば……。
割れた茶碗を、手段がどうあれ継ぎ合わせたとして、それが完全に元通りといえるのか。 見た目が同じなら、とりわけ事情を知らない人間からならそれでも良いだろう。しかし、割れた事を知る人間からすれば自分の記憶を偽るわけにはいかない。 で、本作は茶碗どころの話ではない。茶碗でさえ例え復元しても単純には喜べないのに、まして人間においておや。それを我慢しろだの耐えろだのと並べたてるのは、どだい無理な注文だろう。 だからといって、主人公の仲間達が間違っているとも思えない。むしろ最善を尽くしている。 だからこそ、本作は残酷だ。だからこそ、本作は面白い。 詳細本作。
宇宙の中で高熱で死んだトムは電子脳に生まれ変わっていた。トムにはカスミという恋人がおり、トムが宇宙へ行くのを拒んでいた。2人の再会にあった先は……本当にあるかもしれない短編SF作品です。
想いは変わらなくても、それだけではどうにもならない現実。悲しくも切ないお話です。
二人が考えていたこと、そして考えていることに気づいた瞬間に彼が彼自身になるというロジックが面白かったです。もし彼が人間だったら、同じようには考えなかったでしょう。彼が彼であったからこそ全てを受け入れられることができた。そう考えると胸にくるものがあります。気になった方はせひ読んでみてください。
近以来にありそうな少し悲しいお話。素敵な物語をありがとう。
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