概要
北国が迎えた終末の形。それは何の変哲もない、しかし絶望的な「大雪」。
ある冬、異常気象の波が北国を襲った。
甚大な被害をもたらしたその災害は「雪災」と呼ばれ、夥しい積雪は静かに北国を沈黙させていった。
しかし十数年も経つ頃には、容赦なく押し寄せる災害級の雪への対策部隊が結成され、日々市民の生活を守るべく奮闘していた。
その名も「スノウショベル隊」通称SS隊、雪掻き隊。
頼れるものは、己が肉体と僅かな物資、そしてスコップのみ。
これは、とあるSS隊員の、救助の数日間の記録である。
※表現の都合上、一部方言を使用しています。
※作品内で一部架空の用語を使用しています。
※お陰様で「カクヨム短編賞2019」にて最終選考まで残りました。
©︎2019 奥山柚惟
甚大な被害をもたらしたその災害は「雪災」と呼ばれ、夥しい積雪は静かに北国を沈黙させていった。
しかし十数年も経つ頃には、容赦なく押し寄せる災害級の雪への対策部隊が結成され、日々市民の生活を守るべく奮闘していた。
その名も「スノウショベル隊」通称SS隊、雪掻き隊。
頼れるものは、己が肉体と僅かな物資、そしてスコップのみ。
これは、とあるSS隊員の、救助の数日間の記録である。
※表現の都合上、一部方言を使用しています。
※作品内で一部架空の用語を使用しています。
※お陰様で「カクヨム短編賞2019」にて最終選考まで残りました。
©︎2019 奥山柚惟
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★ Very Good!!閉鎖空間での恐怖を、リアリティたっぷりに描かれております。
文章描写がとてつもなくうまいなぁと思いました。
物語の舞台は、現代の日本に『フィクション』性を混ぜた、『近未来』の世界なのですが、物語独自の設定がススス~、と頭に入ってきます。たぶん、『こんなこと実際にあるかもしれないな』という自分達の想像とリンクするからだと思います。
フィクションの構築は、やり過ぎると読み手が萎えてしまうと思ってます。読み手の想像できる範疇外に物語が進んでしまうと、いわゆる全く共感できなくなって、物語に置いてかれちゃうからかなぁ、と。
この作品は、その『フィクション性』の線引きがバツグンだなと思いました。
…いやぁ~、ハラハラしてホッコリして、
素晴らしい読書体験…続きを読む - ★★★ Excellent!!!凍てつく世界に火を灯せ。
大量の積雪が続き、災害として認定された豪雪が続く世界。来るべきはずの春も一面の雪景色、数日は外に出られないほどの気象。人の命を奪う豪雪から人々を救うため活動するのがスノウショベル隊、通称SS隊である。
人命救助のために雪をかきわけ邁進する人々の物語。極寒の環境で働く彼らは、しかし誰よりも熱いハートで職務に向き合っています。極限状態で効率的に救助、延命していくなかで、時には絶望的な事態も待っていると思います。そんな苦しい場面でも、心が折れそうになっても、「死ぬな、死なせるな」と言い聞かせ、生きることを諦めない彼らの姿は真っ直ぐで、強く、熱く胸を打ちます。