終末雪国アポカリプス

作者 奥山柚惟

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★★★ Excellent!!!

北陸とかの積雪地帯ではなく、もっとシャレにならない未来の世界でのこと。
気候変動により、積雪量は災害認定されるまでに変化。雪専門の対策チームも生まれた。
その対策チーム、通称『スノウショベル隊』の奮闘を、主人公を中心にして描いた物語。

評価すべき点は、どこをとっても隙のない表現力の高さだ。
とにかく表現と心理の描写が巧みで、リアリティが高い。
映画のワンシーンを思わせる話の展開に、固唾をのむこと請け合いである。

★★★ Excellent!!!

ただ、ひたすらに雪が降る。それは美しい光景ではない。


年に一、二度の雪にはしゃぐ私のような日本西部民には、想像すらつかない恐怖が書き起こされる本作。気候が大きく変わりゆく現代のその先に、もしかしたらたどり着くかもしれない世界の姿がリアルに描かれます。

雪に阻まれる恐怖。極限状態で頼れるものが、己の腕のみ。主人公の手にあるのは、聖剣でも灼熱の魔法でもなく、電気スコップただひとつなんです。

そこがこの作品の素晴らしさ。

大災害にただの人間が挑む姿に、息を呑み拳を固くして、どうかと祈る。


光は射すか。結末はご自身の目で。

★★★ Excellent!!!

とにかくリアリティが凄い。
そして、目の前に映像が見える、精密な描写。
ド派手な演出はないし、魔法も使わないし、無双しないけれど、間違いなく現実のヒーローはこういう人。そこも、リアリティの一つだと思う。
あなたも、現実にいる、でも見知らぬヒーローに想いを馳せてみては?

★★★ Excellent!!!

映像化してほしくなる作品です。
そう思う作品は描写がうまいんだと思います。頭に物語の絵が浮かぶので、きっと映像化してほしくなるんですよね、
巧みな描写で、自然のおそろしさや、極限状態が伝わってきて、読みはじめると止まらなくなります。
皆さんもぜひ読んでみてください。

★★★ Excellent!!!

SFの売りの一つは、何といっても非現実的な世界観!

科学が発展したユートピアでも良し。宇宙の果ての外惑星でも良し。なんなら核戦争で人類が滅んだ世界(アポカリプス)でも良し!

現実の世界とはまったく違う世界の冒険こそ、SFの醍醐味というものです。


本作『週末雪国アポカリプス』は、まさにそんなSFの醍醐味が味わえる、数珠の短編です!


主人公マシュウが住む土地は、気候変動によって信じられぬほどの大雪が降るようになっていました。

マシュウはそんな大雪を電気スコップでかきだし、人々の生活を守る「スノウショベル隊」に所属し、日夜雪かきに励んでいたのです。

そんなある日、小さな女の子が雪原で行方不明になってしまったとの連絡がスノウショベル隊にもたらされます。

マシュウは辛くも少女を見つけたものの、時すでに遅し、周りはすでに帰還不可能なレベルの大吹雪に!

果たしてマシュウは、幼い命を守りながら帰還することができるのか……?


作者の奥山さんは北国の方だそうで、実感のこもった極寒の描写は、読んでいるこちらも鳥肌をもよおそうです(笑)

雪に閉ざされた真っ白なアポカリプス。そこで生きる男の究極サバイバル! その結末はぜひ本編をご覧ください!

★★ Very Good!!

文章描写がとてつもなくうまいなぁと思いました。

物語の舞台は、現代の日本に『フィクション』性を混ぜた、『近未来』の世界なのですが、物語独自の設定がススス~、と頭に入ってきます。たぶん、『こんなこと実際にあるかもしれないな』という自分達の想像とリンクするからだと思います。

フィクションの構築は、やり過ぎると読み手が萎えてしまうと思ってます。読み手の想像できる範疇外に物語が進んでしまうと、いわゆる全く共感できなくなって、物語に置いてかれちゃうからかなぁ、と。
この作品は、その『フィクション性』の線引きがバツグンだなと思いました。


…いやぁ~、ハラハラしてホッコリして、
素晴らしい読書体験を過ごせました!

★★★ Excellent!!!

世に「大抵の物は適当に量か数を増やせばSFになる」という説はありますが、
傍から見れば既にSF染みている北国の雪が量を増せば、もはや世界の終末に至るのです。

大地の試練に抵抗すべく、人類による雪掻きも大規模に組織化された時代。
雪掻き隊員が極限状況で送った数日間を纏めた短編。

★★★ Excellent!!!

道民たる私、呼ばれた気がして参上。
今年は異常に雪が少ないですが、なんだか年々減っている気がします。

さて、そんなことより、この作品ですが。

無茶苦茶力強い世界でした。
大雪どころじゃ済まされない超大雪の世界で最初こそ犠牲を出しながらも、あっという間に技術を進化させ、したたかに生き延びる人々と、その人達を守るSS隊の物語です。

極限状態。まさに。
雪に閉ざされた世界の極限ぷりというのは雪の少ない地方の人には理解しにくいかもしれない。でも、あいつらは本当に一歩間違ったら人を殺すんです。静かに。
その中で懸命に生きる道を作り……。

とにかく見事な物語でした。

★★★ Excellent!!!

異常気象により、半年以上雪に閉ざされてしまうようになった北海道が舞台のサバイバルもの。

主人公は「スノウショベル隊」通称SS隊、雪掻き隊の一員で、雪かきに追われる日常にある事件が起こります。
主人公の運命はいかに?

先のレビューでも述べられていますが、道民には特に刺さると思います。
私はバラトが良かったです。

★★★ Excellent!!!

 大量の積雪が続き、災害として認定された豪雪が続く世界。来るべきはずの春も一面の雪景色、数日は外に出られないほどの気象。人の命を奪う豪雪から人々を救うため活動するのがスノウショベル隊、通称SS隊である。

 人命救助のために雪をかきわけ邁進する人々の物語。極寒の環境で働く彼らは、しかし誰よりも熱いハートで職務に向き合っています。極限状態で効率的に救助、延命していくなかで、時には絶望的な事態も待っていると思います。そんな苦しい場面でも、心が折れそうになっても、「死ぬな、死なせるな」と言い聞かせ、生きることを諦めない彼らの姿は真っ直ぐで、強く、熱く胸を打ちます。

★★★ Excellent!!!

気候変動による影響なのか、災害レベルの豪雪に見舞われるようになった雪国。
スノウショベル隊と呼ばれる自衛隊並の除雪組織にて働くという世界観にやられました。

途中で起こるアクシデントに救出劇、どうなる事かとハラハラさせられます。
願わくばこのような世界にならないで欲しいと思わせるくらいリアルでした。

★★★ Excellent!!!

もう好きすぎる。この世界観!
タイトルからして私のハートにズキュンと来た。

まず確実に道民は読んだ方が良いです。
刺さります、色々と。私はいまでこそ東北住みですけど、もともと道民なので、隊員さん達のお名前とかもうわくわくしてましたから。「マシュウって『マシュー』かと思ったら、ああはいはい、マシュウね、マシュウ」って。
訛りも懐かしすぎるし、本当にそう遠くない未来にありそうで。

でも、もし仮にそんな未来になるとしても、きっと人類はこうやってたくましく生きていくんだろうなって思いました。それくらいリアルに描かれています。

もう一度言います。
道民は読みましょう。絶対刺さるから!

★★★ Excellent!!!

 近未来。災害級の雪が降り続くようになったエリアと、除雪の最前線に立つ青年を描いた作品。
 雪に閉ざされた世界の描写がリアルで、その場にいるような臨場感があります。方言も、自然にこの作品世界の雰囲気を作っていて効果的です。
 雪と戦うということは、静かなサバイバル。その緊迫感と、恐怖、そして人の心の温かさを感じられるストーリーになっていると思います。

★★★ Excellent!!!

今後来たるかもしれない世界観に、緊張感のある状況がマッチして、硬派な印象を受けますが、地方の雰囲気を醸し出す方言と主人公の人情が丁寧に描かれているため、硬軟併せ持つ絶妙なバランスに仕上がっていると感じました。朴訥ながらも芯の強い雪国の人々の人間性を感じた一作でした。また終末SFが好きな身としても楽しめて、設定だけに終わらずに、ストーリーがきちんと成り立っているところも大変良かったです。

★★★ Excellent!!!

しんしんと降り積もる雪に、音さえも吸い込まれて孤立していく感覚。
舞い落ちるなんて優美なものではなく、風と共に荒れ狂う雪嵐。
もしそんな『雪災』がおきたら。

豪雪地帯に住む人なら感じた事のある恐怖を、スノウショベル隊の活躍を軸にして上手に描かれています。
事件が起き疲労困憊の主人公を救ったのは……ネタバレになるのでやめますが、このシーンがとても無骨で、そして美しかった。

地名を由来とした名前も、この世界観だとピタリとハマっていてお見事でした。