文章描写がとてつもなくうまいなぁと思いました。
物語の舞台は、現代の日本に『フィクション』性を混ぜた、『近未来』の世界なのですが、物語独自の設定がススス~、と頭に入ってきます。たぶん、『こんなこと実際にあるかもしれないな』という自分達の想像とリンクするからだと思います。
フィクションの構築は、やり過ぎると読み手が萎えてしまうと思ってます。読み手の想像できる範疇外に物語が進んでしまうと、いわゆる全く共感できなくなって、物語に置いてかれちゃうからかなぁ、と。
この作品は、その『フィクション性』の線引きがバツグンだなと思いました。
…いやぁ~、ハラハラしてホッコリして、
素晴らしい読書体験を過ごせました!
大量の積雪が続き、災害として認定された豪雪が続く世界。来るべきはずの春も一面の雪景色、数日は外に出られないほどの気象。人の命を奪う豪雪から人々を救うため活動するのがスノウショベル隊、通称SS隊である。
人命救助のために雪をかきわけ邁進する人々の物語。極寒の環境で働く彼らは、しかし誰よりも熱いハートで職務に向き合っています。極限状態で効率的に救助、延命していくなかで、時には絶望的な事態も待っていると思います。そんな苦しい場面でも、心が折れそうになっても、「死ぬな、死なせるな」と言い聞かせ、生きることを諦めない彼らの姿は真っ直ぐで、強く、熱く胸を打ちます。
もう好きすぎる。この世界観!
タイトルからして私のハートにズキュンと来た。
まず確実に道民は読んだ方が良いです。
刺さります、色々と。私はいまでこそ東北住みですけど、もともと道民なので、隊員さん達のお名前とかもうわくわくしてましたから。「マシュウって『マシュー』かと思ったら、ああはいはい、マシュウね、マシュウ」って。
訛りも懐かしすぎるし、本当にそう遠くない未来にありそうで。
でも、もし仮にそんな未来になるとしても、きっと人類はこうやってたくましく生きていくんだろうなって思いました。それくらいリアルに描かれています。
もう一度言います。
道民は読みましょう。絶対刺さるから!