暗闇の世界

作者 聖願心理

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★★★ Excellent!!!

不思議な少女は、一人の少年に影響を与えた。それは少女が意図したものじゃなかったかもしれない。それでも暗闇に沈んでいた少年は動かされた。
それだけ、小鳥遊月花という少女は強くて、素敵で、眩い存在だった。
彼女は、きっと現実で迷っている人にも力を与えることができると思う。
そう思わせてくれるほど魅力的な文章だった。
だから私は、迷っている学生に、この物語を届けたい。

★★ Very Good!!

 教室にせよ個室にせよ、自分しかいないと認識できる空間は心地よい。しかし、その贅沢は意識しないと分からない。あとから思い返して幸せな場面と感じることもないではないが、微妙な残酷さを伴わずにはいられない。
 主人公は、自分だけの世界を広げる力を持たず関心も向けなかった。なるほど、つまらぬ。
 それがどうなるかは実際に本作を読んで確かめるのが良かろう。
 詳細本作。

★★★ Excellent!!!

多くの高校生が胸の奥にしまい込んで目を背けることを、小鳥遊さんは問う。
「どうして」と。
未だ庇護されている立場の人間であれば、その問いに答えるのは憚られます。
しかし『僕』は、与えられた選択肢の外に魅力を感じている自分に気づいてしまいます。
いわば「最上の篭」を目指して勉強に励んでいた主人公には、その外側へと羽ばたいていく小鳥遊さんの姿は美しく見えたことと思います。

そしてこの物語は、光がとても美しいです。
はじめは小さな光だった小鳥遊さんの世界が、最後に強く輝く様は、ドラマチックでした。

★★★ Excellent!!!

この物語の大きな意味は「自分の生き方は自分で決める」という事だろう。

学校へ行き、勉強をし、大学へ行き、社会人になる。
多くの人がこのレールの上に乗ろうと頑張っている。
この主人公も同じなのだが、彼女は違う。
自分の生き方を決め突き進む彼女を主人公は眩しく思う。

自分の学生の時を思い出した。
あの頃の自分では分かっていなかった事が今はよく分かるのと同じように、彼女の生き方は荒削りだが後悔しない生き方なのだと思っている。

踏み出す一歩の重さがそこにある。

そういう物語だと理解した。

★★★ Excellent!!!

素敵な世界です。
高校へも数えるほどしか出席していない、不思議な少女。そのオーラに、主人公の少年は強く惹きつけられます。
自分自身の情熱に正直に、ひたすら真っ直ぐに進む彼女。自分の道がまだ見えずにいる彼。
少女の神々しいほどの小説への情熱と、それを見つめ、憧れる平凡な少年のコントラスト。そして、そんな対局の場所にいながらも、不思議と引き合うお互いの心。それらの繊細な心の動きがとても丁寧に描き出されていて、物語そのものの誠実な熱量が深く読み手に伝わります。

真っ直ぐに届くって、やっぱり素晴らしい。改めてそう感じる物語です。

★★★ Excellent!!!

序盤は、主人公がクラスメイトと話しているだけのシーン。
ところが、あるセリフにドキッとさせられる。
引き込まれるように読み進めていくと、ひとつひとつのセリフが、語句が、描写が、とても示唆的であるということに気付く。

「この言葉はこれを意味していたのか」
「このシーンはこの比喩だったのか」
と発見するたびに、何度も読み返した。

闇と光。
閉じた世界と、その中に広がる広大な宇宙。
戸惑いと希望。
持つ者と持たざる者。

主人公とヒロインが互いに「どうして」と問い合うシーンが熱い。
迷うことなく真っすぐ答えるヒロイン。
考えて、悩んで、迷ったあげく、結局答えられない主人公。

……ああ。ここからして二人は既に「違う」存在なのだと突き付けられる。

価値がないと判断すれば、わずか数秒でひとつの世界を捨ててしまうようなヒロイン。なんと強いのだろう。
凡人の私には、その強さが恐ろしい。

そして、ヒロインが主人公を「つまらない」と評した言葉の意味に気付いてしまう。
そうだ。そうだろう。「あなたのような人」から見れば、どんな人間だってつまらない存在に成り下がってしまう。

でも、その中に微かな希望がある。

登校したばかりの時間は「まだ薄暗い」が、
ヒロインと話しているうちに主人公は「光が差す」瞬間を見る。
それはヒロインにとって新しい世界が始まる瞬間であり、二人にとっての別れの瞬間でもあり、あるいは、主人公が希望の道を歩き出す瞬間であるのかもしれない。
だからこそ、主人公は最後にヒロインを「見つける」。

物語全体に広がる圧倒的表現力。圧倒的世界観。
哲学的だとすら思う。

物語を読み終えて思う。
まさに【聖願心理】その人が、神様なんじゃないか、と。