彼女は篭の外へ行ける

多くの高校生が胸の奥にしまい込んで目を背けることを、小鳥遊さんは問う。
「どうして」と。
未だ庇護されている立場の人間であれば、その問いに答えるのは憚られます。
しかし『僕』は、与えられた選択肢の外に魅力を感じている自分に気づいてしまいます。
いわば「最上の篭」を目指して勉強に励んでいた主人公には、その外側へと羽ばたいていく小鳥遊さんの姿は美しく見えたことと思います。

そしてこの物語は、光がとても美しいです。
はじめは小さな光だった小鳥遊さんの世界が、最後に強く輝く様は、ドラマチックでした。

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