「透明」の鮮やかさを知る

読むと「透明」が鮮やかに迫ってくる。

透明が美しく描かれ、その輝きに惹かれながら読み進めていく。
透明が主役で、他の色は控えめに脇を飾っている。
ところが、最後の最後にずっと控えていた極彩色が輝く。透明の綺麗さを描き続けて、ラストのこの転換は、色の美しさを際立たせている。

文字を追っているはずなのに、透き通った時々華やかな色を放つ世界に浸ることのできる作品だった。

その他のおすすめレビュー

近藤銀竹さんの他のおすすめレビュー242