はっきり言います。
男性は全員この小説を読んで泣けるでしょう(笑)。女性は全員この小説を読んで、うなずくでしょう(笑)。
最初にお願いです。この小説を読む前にトイレに行きましょう。そしてお風呂に入って新しい下着をはいて、正座して読むこと。あ、テレビとラジオは止めてね。
第一話の怒涛のエロさで、ビビッてはいけません。第二話の部分でピン!と来てください。そして、第三話で涙してください。
この小説を読めば、本当に女性には頭が下がるようになります。そして、男性に生まれて良かったと思います。
そして、自分のおちんちんに感謝をささげてからもう一度読み返してください(笑)。 (※ここ、男性限定です)
腐った人達の間では、かねてより「実際どうなってるの?」「どうなのどうなの?」と議題には上がっていたが解決されることのなかった部分へ男性目線から鋭くフォーカスした作品です。
オメガバースはSF(⁈)なので、当然ながら我々の調査対象ということもあり、当初は本作もその類型として捉えていたのですが、その主旨は男性の性欲社会へのアンチテーゼとも言うべき崇高な理念に基づく物でした。
海外でこのジャンルはMPreg(MPEGではない)と呼ばれ、その多くはエネルギー保存の法則に従い入れた所から出るが原則です。しかしこれは単に女性器官の置き換えに過ぎず、本作の主旨に則れば女性より有利な条件である男性が本質的に社会不適合を表す記号として扱うには不足していることが分かります。
従い、作者にとって、その思考を経てキンタマへと辿り着くことは必然であったのかも知れません。
本作はカクヨムの投稿管理担当から警告を受けた作品とのことですが、キンタマは良くて、なぜおまんこは駄目なのか? Twitterで上野千鶴子先生に相談したくなる問題作です。
これは凄まじい問題提起だ…と拝読させていただいて、震えました。問題提起であり、疑う余地もないような常識こそ疑えという注意喚起でもあると思います。
常識とは社会が産みだすものですが、動物的本能に基づくものでもあります。
出産は女の役割である。という常識がひとつ、覆されることによって読者はドミノ倒しのように様々な疑問を抱きます。
夫婦になったらこどもを作るのが常識。
こどもこそが夫婦の愛の証、……でもそれってほんとうなのか。
こどもを作らなければ夫婦愛にはなんの証もないことになってしまうのか。いやあ、そんなはずはないでしょう。こどもがいなくても、仲睦まじく、愛に溢れた豊かな関係を築いているご夫婦もたくさんいらっしゃいます。
子孫を残すことが人生の意味であり最大の幸福。
……ほんとうにそうでしょうか。
他にも残せるものはいっぱいあるし、幸福だってひとそれぞれのかたちがあるはずです。
ちょっと考えればわかることなのに、常識というものに縛られているから、普段は「それが正しい」と疑いもせずに過ごしているわけです。
その常識をかさに着て、誰かを責めたり差別したり、あるいは常識に縛られて自己嫌悪に陥ったりしているのではないでしょうか。
常識、一度でいいから、疑ってみませんか。
男女問わず、様々な読者さまに読んでいただきたい、衝撃の短編です。
タイトル的にちょっと読みづらく、本当はこっそり読んで反応しないつもりだったのですが(笑)。
もしも男性が子どもを産む世界だったら……というのが短い物語の中でわかりやすく描かれています。
ラストシーンも、やはり出産は命がけなんだということを思い出させてくれました。
現代は医療が発展したおかげで母体の死亡率はそこまで高くないと思います。
しかし、本来出産は死と隣り合わせのこと。
キャッチフレーズも込みで、なんだか生物の本来の姿を見たような気がしました。
(※To 詩一さん:キャッチフレーズである程度ネタバレしていると思うので、このように書いております。問題ありましたらご一報ください)
運営に削除されずに残ってほしい作品です。
このような物語こそが妊娠・出産がいかに大変で偉大なことかを、実体験として経験できない男性に教えてくれると思います。
女性もたくさん学ぶところがある作品だと思います。
異性への理解を深め、男女の距離を一歩縮める名作。
皆様も是非ご一読ください。