須藤二村

５分で読める。悪意のない独特の不思議ワールド。
斜め上の設定に心の中で突っ込みを入れつつも、文体の面白さと、尊いもしっかり接種できる。
心が疲れた人にお勧め。

あなたが昨日スーパーで見かけたバナナは、実は遺伝子的に均一な品種である。種子が見えない（種が完全に存在しないわけではない）これらのバナナは株分けによって増殖し、全ての木は同じ遺伝子…続きを読む

これは予想していなかった。　新しい！！

野々さんは、将来デビューすることが確実な作家なのであまり宣伝する必要がない。カクヨムでは実力に比して評価が低いので、どうせ公募で賞を取るかなにかして自立していく人だからだ。 言わば…続きを読む

江戸川乱歩の『電人M』か『怪盗二十面相』か。はたまた『名探偵ホームズ』や『怪盗ルパン』といった、小学生の頃にポプラ社の児童書を読み漁っていた私には当時のワクワク感がよみがえってきま…続きを読む

インチキと出鱈目が奇跡と同じ棚に並べられているような、混沌とした世界観がインドにはあるのだと思う。 作中では、明らかに我々は強欲な商人側にいる。しかし、欲と崇敬が入り混じった彼の…続きを読む

作者は今『ウマ娘』にハマっているそうです。力強く大地を駆る竜の名は、馬主の許可がおりなかったと言われるあの名馬。 なんでしょう？　スマホのゲームやりながら書いていたのでしょうか？ …続きを読む

後半になるほど自らの縛りにのたうち回る、KAC恒例の連作　異世界レシピシリーズが再び読めるなんて嬉しいー！　前回の『今日のごはん　異世界変』の続編ですので是非そちらから読むことをお…続きを読む

これは学術記事の体で書かれたSF小説である。頭のネジがはずれたような新説をわりと真面目に論じました風の文体がギャップを伴っている。油断すると不意にパスタやイタリアへのディスりが入っ…続きを読む

新しい！　しかも言葉の選択のズレ加減がいちいち秀逸で笑ってしまった。既存の概念を覆す世界観の構築は、まさにSFだと思った。 言ってみれば言語における概念の物質化、誤用批判へのアイ…続きを読む

ラストまで読んだ私は「なっ！何をするだァーッ！」と叫んでいた。もちろん愛犬を蹴られた訳ではなく、この作品がもの凄く勿体ない使い方をされていたからに他ならない。これは10万字以上かけ…続きを読む

今やカクヨムSF界、期待の星となった十三不塔さんが10年前に書かれた作品。１話だけでも読む価値ありです。繊細でありながらユーモアに富んだ文体は、既にこの頃から健在だったようですね。…続きを読む

最初は自虐的私小説のような体で始まるので、すっかり騙されてしまった。供述のリアルさは元より「お前小説」というべき新しいジャンルを開拓したかに思える。 勘のいい読者ならこの時点で解離…続きを読む

どう見てもスフィアです。
本当にありがとうございました。

電脳空間で闘い続ける主人公が、ある小説サイトへ攻撃を仕掛ける。彼の行手を阻む巧妙な罠。パラレルワールドからの攻撃！　緊張感は常時MAXでスマホは汗でぐしょぐしょになった。なぜこの小…続きを読む

５分で読めるオチの効いたショートショート。短時間で気軽に読めるのがいい。

構成の対比、文章の対比がすごく上手いです。私は現場の悲惨な描写に笑いが込み上げてきて仕方がありませんでした。 文体とテンポも良く読みやすいので、すぐに読み終わります。 おさるのジ…続きを読む

かつてKACの「お題」に苦しんだ全ての作家に贈りたい。そして、今まさに小説を書こうとしている貴方にも。この法則に従えば必ず短編が書けると保証します。 中でも私が特にいい！と感じた…続きを読む

これはいい！　タイトルの一つ一つが面白い！
これ以上ここで述べることは不可能。

アンドロイド同士のバトル物と考えると王道を行くストーリーだと思います。SF的な描写と戦闘シーンの見せ場が上手く、キャラと世界観の造りもカッチリしているので手馴れた安心感があります。…続きを読む

石束さんちの本棚整理を後ろから眺めるエッセイです。彼がダンボールから出したり入れたりしている間に書籍の内容を独り言で説明してくれるので、面白そうなのがあったらメモしておいて後で読ん…続きを読む

このエッセイって本当に二十代の女子が書いたの？　ヤバイ、って言うか、もうこの時点で自分の年齢が言えなくなってしまうくらいヤバイ。とにかくヤバイ。今風に言うとマジ卍と言うらしいので臆…続きを読む

かつてソクラテスがそんなことを言ったとか、言わないとか。ここには詩一＠シーチさんの哲学が詰まっています。単純に読み進んでいくだけでも、自分に無かった新しい発想が得られます。 きっ…続きを読む

まず１行目が凄い。なんだそれは！ そんなのSF以外には有り得ないし、この冒頭を見て、続きを読まずに引き返せる人なんかいる筈がないじゃないか。 本来ならグロテスクな素材のはずが、そ…続きを読む

素晴らしい傑作です。これが代表作だとプロフィールにも明記すべきだと思いました。本作は直木賞候補にもなった筒井康隆氏「ベトナム観光公社」の一編への本歌取りとも言える作品ですが、それに…続きを読む

私にとって三人称で文章を書く時のバイブルともなった群像劇小説。映える表現集の如き言葉のチョイスに震え、その奇想天外なストーリーは文字通りボカーン！な冒険の旅に私を連れ出してくれます…続きを読む

2019年、大晦日をまたいでアメリカ横断を決意したAskewさんのリアルタイム・エッセイです。今とはだいぶ文体も違っていますね。 ホワイトサンズ国定公園の砂漠を見て、ヒューストンで…続きを読む

腐った人達の間では、かねてより「実際どうなってるの？」「どうなのどうなの？」と議題には上がっていたが解決されることのなかった部分へ男性目線から鋭くフォーカスした作品です。 オメガ…続きを読む

同僚たちの前で、勇気を振り絞りパンツで帰ろう！と提案する男。どんなことであれ集団の中で最初の一人になることは、とても勇気のいる行動だ。 言われてみれば、パンツで帰れない社会の方が…続きを読む

大切な人が居なくなってしまった喪失感や、亡くなった後にまで続く淡い恋心や友情といった感情を、地縛霊となったカケルを通して描かれるシリーズ作のラストです。 一作毎に大幅に年代が進み…続きを読む

かつて警視庁の直轄犬にアルフという名のシェパードが実在した。胃腸が弱く、疲れると犬舎へ逃げ帰るためダメ犬とレッテルを貼られた。しかし、彼は後に数々の功績によって初の警視総監賞を贈ら…続きを読む

カクヨムのチャレンジなんとかに挑戦（重複）するため、エッセイの中で小説のネタを考える暴挙に出た男。 しかし、普段の習性から応援コメントを貰うたび長文のお返事を返してしまい、ちっと…続きを読む

終わってしまったーーーー！　もっともっと読んでいたい作品だったのに。 今回のは途中でいきなり文章が硬くなったのでこのまま行くのかと思いきや、ギャップのための伏線だったんですね。こ…続きを読む

未知との遭遇である。言語体系の異なる宇宙人と相互理解を図る為、ヒロインは異星人と婚姻することになった。 我々SF書きは、たまにメモ帳に溜まった設定をどこかに吐き出したくなる衝動に…続きを読む

作者は普段からカクヨムを盛り上げようと活動されていて、ロイヤリティ・プログラムへの提案もわりと本気で書かれてると思います。 それらも含めて凄く面白いSFショートショートに仕上がっ…続きを読む

誰に？って出版社がこの作者にですよ！ こんなん読んだら書籍、買うてまうやろー！！ 先輩ちゃんと後輩の会話劇がセンスofセンス。 面白過ぎます。 　　　　　　　　　　　　　　…続きを読む

異世界で食糧調達し、故郷の食べ物をなんとかするシリーズ。今回は特に新しい食材は出てこないけど、連れ帰った王女様の健気な性格がよく現れていた回でした。 しかし、かなり前から登場して…続きを読む

膨大な設定を感じて、コメントでどうなってるんですか？と聞いたら、集落を飛び出した少年が王女と逃げ帰ってくるまでで既に二万字あるとのこと。 設定も面白いけど、このシリーズに一貫した…続きを読む

集団で異世界に飛ばされた人々の設定にはなっているが、そこからは互いに助け合い日々を必死に生きようとする古き良き日本の姿が浮かび上がる。 時代劇の得意なこの作者が表現したかったもの…続きを読む

なんという使命もなく異世界に飛ばされた人々がいて、生活も安定してきたある日、ふと「ブリ大根を食いてえなあ」と呟いてしまう。 分かります！日本人なら無性に食べたくなる食べ物が誰しも…続きを読む

四年に一回しか歳を取らない子の誕生日。なんだか本人は不服そう。 どういう時間軸の生物なの？　と予想していたら見事に裏切られました。これは作者自身の体験が反映されたストーリーなんで…続きを読む

キャラの会話もテンポもいい。難解なラブコメの習作のようでいて、狂気をはらんだギャグSFのような何かでもある。 そんな不安定さを感じながらも読み進めていく内に、大丈夫かこれ？読者は…続きを読む

政治経済の話は、ややもするとオヤジのポマード臭が漂っていたりだとか、気がついたらいつの間にか説教されていた！などという事態も多いので（偏見か）若い子たちからは敬遠されそうなテーマで…続きを読む

主人公が目覚めるとそこは大気圏突入間近の宇宙船。200年前の主人公のデータを基に原子プリンターで印刷されたのだ。ところが着陸装置が破損していきなり生命の危機。 メイドの風貌をした…続きを読む

レビュー欄に同一人物が何人も居るような気がしてビックリした。
これがおじさんか。

この作者の作品は初めて読んだのですが、ひょっとしてガチの人だったらどうしよう？と心配になったので三つほど他の作品も読んでみました。

ちょっと自信がないです。

147秒以上、音を聴き続けると死んでしまう世界。その中で少年と少女がピアノを媒介にして紡がれる青春小説。 私達の周りに普遍的に存在する音を題材に、もしも？の世界を構築した新しさ。…続きを読む

私は今精神状態が普通では無いか、あるいはとてつもなく快調だと言える。 ウサギの耳が千切れてしまった喪失感と、窓から否応無く飛び込んでくる下世話な社会の象徴、そして愛情だか憐憫だか…続きを読む

最初の本達の会話からして爆笑してしまった。作者の黒井さんは本の業界の人なのかな？ 現在の出版・取次・書店が抱える問題点がとても面白く、かつ分かりやすく書かれている。 閉店が決まった…続きを読む

失業中のOLが、謎生物から交渉を持ちかけられる。謎生物とのやり取りがやたらコミカルで面白い。

ふんわりした文体に意表を突かれるが、実は正統派なSFショートショート。