私は今精神状態が普通では無いか、あるいはとてつもなく快調だと言える。ウサギの耳が千切れてしまった喪失感と、窓から否応無く飛び込んでくる下世話な社会の象徴、そして愛情だか憐憫だかも判然としないまま行動する男の間抜けさも、ファンタジーのような奇天烈な世界観の中で全てが自然にしっくりと理解できている。