不良少女はテセウスの船に乗れるか?

作者 詩一

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★★★ Excellent!!!

おおよその物語にとって欠かせないのは成長や変容。
ですが、この作品の重要なポイントの一つは「変わらないこと」。変わることは美しく素晴らしいことですが、その影で消えていくものも必ずあります。それがいいか悪いかを置いといて、そんな部分も変えることなくまるごと尊重し、愛せるおおらかな生き方は、この時代に必要なことでしょう。

それを、「不良品が擬人化した少女たち」というフィルタに通すことで読みやすく、受け入れやすい形を与えたんだな、という印象を受けました。強いメッセージ性を感じる作品ですが、個性的な設定と内容がそれを適度にほぐしてくれています。

★★★ Excellent!!!

『オズの魔法使い』を思い出しました。致命的ななにかが足りない擬人化従者たちと旅をして、それぞれが満たされる『オズの魔法使い』とは違って、最後まで満たされることはないものの、これはこれで物語として完結していて目からウロコでした。
これから読む方のために、くわしくは書きませんが、擬人化人間たちの人間くささと救いようのない欠陥、それに加えて哲学的な問いかけと解決、小気味よい会話がうまく噛み合っておもしろかったです。
ドロシーは『オズの魔法使い』の主人公です(念のため)。


★★★ Excellent!!!

物は替えがきく。不良品は直すか取り替えればいい。

ところが本作の世界では物は擬人化し人格を持っています。作中にそれらの修理・交換を薦める人物が出てきますが、私達から見て、それはちょっと怖い。

主人公は擬人化した不良品の扱いに悩むうちに、替えがきかないモノのことを考え始めます。

それが何かは、本文をご覧ください。

あなたは替えがききますか? 替えがきく存在の不確かさを体験しませんか?