未完であることを選んだドロシーの物語

『オズの魔法使い』を思い出しました。致命的ななにかが足りない擬人化従者たちと旅をして、それぞれが満たされる『オズの魔法使い』とは違って、最後まで満たされることはないものの、これはこれで物語として完結していて目からウロコでした。
これから読む方のために、くわしくは書きませんが、擬人化人間たちの人間くささと救いようのない欠陥、それに加えて哲学的な問いかけと解決、小気味よい会話がうまく噛み合っておもしろかったです。
ドロシーは『オズの魔法使い』の主人公です(念のため)。


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