うん、この味だ!

素晴らしい傑作です。これが代表作だとプロフィールにも明記すべきだと思いました。本作は直木賞候補にもなった筒井康隆氏「ベトナム観光公社」の一編への本歌取りとも言える作品ですが、それに勝るとも劣らぬ出来栄えに思わず嘔吐を避けられませんでした。

文学は需要の如何によって価値が決まるものではなく、どれだけ鋭く深く本質に迫るかが重要なのであり、本作ではそれを直腸と尖らせた舌の比喩によって表現されていることもまた付け加えておく必要があろうかと思います。

私は本作で受けた衝撃を、恐らく一生忘れることはないでしょう。中七七三さんのお名前をどこかでお見かけする度に、この「君のうんこを食べたい」を思い出し、ツイッターの呟きを見て、ああ、今うんこ食べたいんだろうなと察することができるのです。

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