ゲットセット!(KAC2020まとめ)

作者 水城しほ

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★★★ Excellent!!!

大切な人が居なくなってしまった喪失感や、亡くなった後にまで続く淡い恋心や友情といった感情を、地縛霊となったカケルを通して描かれるシリーズ作のラストです。

一作毎に大幅に年代が進み、徐々に世界から取り残されていく孤立感と、変わらぬ想いの対比がとても上手い。是非、1話目から続けて読むことをお勧めします。

KACのお題を消化しつつも、この爽やかな読後感。あなたにも味わって欲しい5作品。

P.S.
BGMは小椋 佳(おぐら けい)でお願いします。

★★★ Excellent!!!

 身近な人が、突然いなくなってしまった。

 失われたものがどれほど貴重で失い難いものだったとしても。
 取り残された人々は、その喪失と戦い、格闘し、抵抗し、いつか、それを受け入れていく。
 ある意味自然な「結末」。
 この物語は、そしてここへ至る一連の物語は、そんな「結末」へと至る過程を、少々風変りで、愛情に満ちたやさしい視点で俯瞰してきた。
 そうしてようやく、この優しいまなざしの物語は完結しようとしていた。
 そのはずだった。

 ――でも、ここに至って、私は突然気づく。

 この物語の主人公は、実は『彼』ではなかったのではないか、と。
 この物語は、何よりも大切だった『彼』を、決して失うまいとする『彼女』の、 闘争――レジスタンスの物語だったのではないか、と。
 それを我々は『彼』の視線を通じて、見ていただけなのではないか。
 そこに思い至って、『彼女』の全てに、初めて得心がいく。

――まさに『どんでん返し』。

 当たり前の結末も、想像しうる救いも、常識すらも、木っ端みじんに打ち砕く、『彼女』の最後の『選択』――否。『覚悟』に刮目せよ。


 追伸

 いつか、で構わないから。
『彼女』のお話を、書いてあげてください。

 待ってます。




★★★ Excellent!!!

地縛霊となってしまったカケル。
地縛霊というと、じめじめメソメソくよくよメソメソしてそうですが、こちらの地縛霊はひたすらかわいく元気(?)で楽しそうです。


KAC企画でシリーズ短編の本作ですので、ぜひ最初からエピソードを追って頂きたいのですが、(そうすると地縛霊になった理由やかわいいカケルの危機、友情に涙などなど……)こちらだけでも素敵な展開が待っています。

変わらずに続く友情やお兄さんのような幽霊友達、地縛霊ですからやがて成仏することがハッピーエンドになるのかしら……と、思っていたら。

幽霊話なのに、ほっこり笑顔になる作品です。