三人称・群像活劇の教科書にしたい一作❗️

私にとって三人称で文章を書く時のバイブルともなった群像劇小説。映える表現集の如き言葉のチョイスに震え、その奇想天外なストーリーは文字通りボカーン!な冒険の旅に私を連れ出してくれます。

旅ってのは爆発なんだと言ったのは作中人物のウェス。ほぼ主役です。
大国の王が退陣の際、悔し紛れに起動した玉座の仕掛け。
スチームパンクな世界に向かって、グロテスクな容貌で疾走を始める玉座。いつしか玉座を捕獲することが王の資格を得るとみなされ、各国の猛者たちが動き出す。

先ほど、ほぼ主役と言ったのは、玉座に挑む登場人物が皆濃い!
筋肉質な豪傑で王族のお姉さま、天才発明家の少年、由緒正しい好漢の軍人、義に厚く直感に優れた大商人。

そんなホストみたいな細腕で大剣や銃器が振れるわけないだろう!と主人公に突っ込んでいた人にお薦めしたい男臭さ。小汚いおっさん達の生き様が、セリフが、行動が、めちゃくちゃにカッコ良くて刺さります。ジリジリした緊張とスピード感が最高!

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