インチキと出鱈目が奇跡と同じ棚に並べられているような、混沌とした世界観がインドにはあるのだと思う。
作中では、明らかに我々は強欲な商人側にいる。しかし、欲と崇敬が入り混じった彼の心境の変化には不思議と納得できるものがあった。
本当は皆どこかでこの世界の金銭主義に辟易していて、その舞台で踊らされているバカバカしさに気がついているから。
老聖者の教えは、それぞれの価値に笑いながら糞を塗りたくって価値観の相転移を起こす。
色すなはちこれ空なり。
そんな糞有り難い教典でさえ、ゴミと糞の棚に並べておいていい。前作に引き続き、新たな悟りを開かせてくれる糞名作。