概要
音を聞けば死んでしまう世界。あなたと最後の旋律を共に。そして――
進化か、あるいは神罰か――――
一定以上の時間、音を聞き続けると死んでしまう世界。
それでもピアノを弾き続ける君に恋をした僕は、世界一美しい自殺を提案する。
一定以上の時間、音を聞き続けると死んでしまう世界。
それでもピアノを弾き続ける君に恋をした僕は、世界一美しい自殺を提案する。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!ピアノが彩る、清冽なSF物語。
SFとしても、人間ドラマとしても、あるいはファンタジーとしても、すごく綺麗に完成された物語でした。
特長を書くとすれば、まず世界観が魅力的です。
音をしばらく聴き続けると死んでしまう、人間たちの謎。
現代日本に似た街の中にそびえる、中世の城のような不思議な施設。
それを制御しているのは、丘の上の広場のピアノ。
そんな謎とロマンに溢れたSF都市が、このお話の舞台です。
さて物語は、そんな都市である少年が出会った、ピアノ弾きの少女を軸に進んでゆきます。
かれら二人の美しく、またどこか退廃的な感じもする或る計画は、しかし、意外な結末を迎えます。
長々と描いてしまいましたがともかく、
世界観、…続きを読む - ★★★ Excellent!!!静かな部屋で読みたいですね。
個人的に静かな部屋で読むことをお勧めします。
作中の人々のように耳栓をするのもいいかもしれません。
とにかく、静かな状態で読んで欲しいのです。
そんな状態で話を読み進めると、音が聴こえてくるはずです。
楽しげな音やどこか物悲しい音、懐かしいような音や恋しい音、音、音。
ふと、顔を画面からあげると音はしません。
しかし、この話を読んでいる間確かに音を聴くのです。
音は連なり音楽になります。
最初聞いたときは何気ないと思っていた音に思わぬ響きが隠されている驚き、悲しいとさえ感じた音の転調、そして最後、残響の美しさ。
この話は間違いなく一つの見事な音楽であり、それを奏する美しい楽器です。
な…続きを読む