概要
いつか俺が、南十字星になる事が出来たなら――。
産業革命後に、天界種、翼族種、角族種、森林種などの亜人種が突如現れたイギリス。その街の一角に、どこか懐かしさを感じる黒の薬店が存在する。師匠エニフから貰った「お前は皆の南十字星だ」の言葉を目印に、剣士として、薬店の店主として生きていく、アクルックスの物語。
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!やはりSFとは、こうでなければ。
異種族と人工人間が共存するスチームパンク19世紀のイギリス、たまんないです。
緻密な時代考証に基づくリアルな歴史要素にSFとファンタジーが巧みに融合されていて、とても魅力的です。これは、よほどの好き者じゃなければ書けないなって見ましたが(眼鏡がキラリーン)
蒸気技術をベースに発展したスチームパンク世界に、異種族と人工人間という「人間性」の境界を揺るがす存在が加わり、『アンドロイドは電気羊の夢を見るか』にも通じる物語の深いテーマ性を感じます。
人工人間が迫害や偏見の対象になっている点も、現実の人間社会が抱える根深い問題を反映しているように感じました。
──やはりSFとは、こうでなければ。
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