SF宇宙要塞を本気で「宇宙要塞」として運用して、物量とAIと科学の力でファンタジー世界を侵略する小説、というか軍事行動ログです。
ミリタリ映画さながらの重厚な無線描写、SF兵器を本気で創り上げる空想科学、そして1から建設や技術ツリーを進めていく戦略シミュレーション感覚。4Xでも宇宙3Dクラフトサバイバルでも、その手のゲームが好きな人にはとてもオススメできます。
自らの侵略行為に自覚的でありながら、その目的はあくまで資源獲得と生活の改善に尽きる、という主人公たち「腹ペコ要塞」。迎え撃つは、パワーインフレ著しい超越魔法ファンタジー世界。発展と戦いを繰り返しながら、甘い甘い夢のような世界を育んでいく。狐娘たちの歪な愛をぜひご覧ください。
宇宙開拓ストラテジーゲームから異世界に、というのが本作の始まり。
主人公はゲーム系作品でよく見るエンドコンテンツ進めてましたとか、そういうのではなく中堅プレイヤー。
かつ転移後は資材カツカツでろくに動けないというもどかしさ。
チート!と言うほどSF無双出来ている訳でもないのが妙にバランスが取れていて面白い。
むしろ転移先のファンタジー要素が脅威だったりする所が実に興味深かった。
本作の見どころに当たるSF要素も、適当な単語を並べた訳ではなくある程度裏付けがされているため強い説得力がある。
ファンタジーという概念を科学的に分析していくのもあまり見られない作風で面白い。
世界観、設定もよく練られていて(未だ謎が多い部分もあるが)ほとんど破綻なく読み進められる。
1度読めば最後、最新話までノンストップ間違いなしの本格派SF小説だと思う。