静かな部屋で読みたいですね。

個人的に静かな部屋で読むことをお勧めします。
作中の人々のように耳栓をするのもいいかもしれません。
とにかく、静かな状態で読んで欲しいのです。
そんな状態で話を読み進めると、音が聴こえてくるはずです。
楽しげな音やどこか物悲しい音、懐かしいような音や恋しい音、音、音。

ふと、顔を画面からあげると音はしません。
しかし、この話を読んでいる間確かに音を聴くのです。
音は連なり音楽になります。
最初聞いたときは何気ないと思っていた音に思わぬ響きが隠されている驚き、悲しいとさえ感じた音の転調、そして最後、残響の美しさ。

この話は間違いなく一つの見事な音楽であり、それを奏する美しい楽器です。

なんて、少しキザな喩えだったでしょうか?
でも、本当にとても素晴らしい作品でした。
お勧めです。

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