未来の音がはっきりと聞こえる

147秒以上、音を聴き続けると死んでしまう世界。その中で少年と少女がピアノを媒介にして紡がれる青春小説。

私達の周りに普遍的に存在する音を題材に、もしも?の世界を構築した新しさ。独特の感性を持った二人のやり取りと、自殺願望とも取れる挑戦を突き進む行動は、透明感のある文章の中で悲惨さをまるで感じない。

そして、読者の予想を裏切る展開と、SF要素をガッチリ押さえたラストは、とても満足度が高かった。

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