学生特有の内面へ向かう感覚に、甘酸っぱい恋愛要素もありつつ、お仕事もののエッセンスも取り入れ、それを見事にまとめあげた大満足恋愛小説でした。
主人公のネガティヴが一周してポジティヴに見える思考回路が、内包している悩みを暗くし過ぎず読みやすかったです。コミカル過ぎると抱えている問題点から目が逸れてしまうのですが、そうならないような絶妙なバランス感覚で物語は進行していきます。(ところどころに配されたリアルな描写が、学生の頃の情景を思い出させるから、このバランスは保たれているのかなと思いました)
蔵田くんとのガールミーツボーイによって、シーンは急展開を迎え、読後には胸がいっぱいになるほどの幸せに包まれました。
私は男ですが、女の子になった気分でした。
タイトルの『誰よりも幸せなわたし』は、前編と後編で意味が変わってきます。
いったいそれがどういうことなのか、ぜひご覧になってお確かめください!