海の底で、君を想う

作者 聖願心理

100

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★★★ Excellent!!!

世界観も、地の文も、セリフも……
幻想的で儚い、二人の少女の物語。
海の音、呼吸、匂い……まるで海の底のように、深い感情に包まれます。
何が現実で何が幻なのか、読者の捉え方次第で変わってくるのかも知れません。
――変わりたいけど、変われない。
その言葉にすべてが込められている、そんな作品でした。

★★ Very Good!!

 現実が港で幻想が船か。あるいはその逆か。
 主人公の心境は、船出を待つ乗客のようでもあり船出を決める船長のようでもある。
 丸い粒々の泡が海中を騒がす度に、出港した船はあおられ揺れる。船は海面を往来するのではなく、海上と海底を結ぶ連絡路のようなものだ……それは潜水艦ではなく、あくまでもある決まった二つの点を往復するためだけの船である。
 いずれにしても、二人だけの『竜宮』が築き上げられていく過程を読み味わえる内容だった。
 詳細本作。

★★★ Excellent!!!

テトラポットの傍に居たと思ったら、海の底に居たりして、そうかと思えばまた……。
彼女が見ているこれは夢か? 幻か? 現実はどこだ?

その問いに、麦藁帽子の女の子が答える。
『これは夢かもしれないし、幻かもしれない。もしかしたら、現実かも』

作中何度か見かけるこのセリフ。

重要なことなんだろうと思う。

だから私は、この一点でもって、この幻想に一本の筋道を立ててみた。
すると、見えてくるのは、とてつもなく純粋な愛の物語。
どれほど遠く二人が別れようとも……例えば、海の底?

もちろん。

この二人なら、宇宙の底からでも、きっと。

★★★ Excellent!!!

人間は、どこまでも人のことを恋することが出来る――とはよく言われます。
しかし、それはどこまで真実でしょうか。

この物語は、麦藁帽子の少女と出会うところから始まります。
そこから舞台は海の底を起点に二転三転。幻想的で不思議な展開が続きます。

戸惑いは覚えることでしょう。
しかし、読み進めて最後に行き着くことが出来れば、戸惑いなど、何処かへと消え失せてしまいます。

そして。
最後のページを読み終えたら、貴方は、最初の問いの答えを掴めるかもしれません。


是非、お読み下さい。
このお話を読む時間は、きっと貴方の糧になりますから。

★★★ Excellent!!!

幻想的余韻が残る物語でした。
好きという気持ち。
海と水、幻のような欠片を散りばめた、ゆらゆらと揺れる物語。
人の感情とは、本来はこういうものなのかもしれない。

どれが偽物で、どれが本物なのか。
余韻の音を読者に残しつつ、ゆっくり消えていく、そんな作品です。

詩みたいなレビューになりましたが、何故か共感したい気持ちにさせられる、そんな物語でした!是非ご覧あれ!

★★ Very Good!!

海洋信仰、というものがある。
人は食べ物を恵んでくれる自然を人に置き換えたある種の擬人化のようなものだ。

しかしそれ以外の形で神を見るとしたら?
人は神を見る際には何かしら極限的な状況にあるのだという。
フリーダイバーの動画を見た時、自身と、そして挑むべき馬との心境を「対話」というのもあながち間違いではないと強く感じた。

話は少し逸れたが、不可思議なことには極限的なことがつきものである。
走馬灯であったり、ゾーンであったり。
それが彼女たちにとっては××××だったという。
不可思議が不可思議を呼び、重なる。
故に現実との境が曖昧になる。

幕が上がり
そしていつか
幕が下がる
そしていつか
幕が上がる

あの終わった演目はもう見れない。

★★★ Excellent!!!

それは現実なのか、幻なのか。
シーンの欠片が現れては消える物語。
蒼いモザイク画のような世界に迷い混み、読者はいつの間にか求め合う二人の想いにシンクロしていく。
想いに素直に生きた波来と海音。
二人はそれぞれの物語を終えることができたのだろうか?そう思いたい。