海の底から、愛してる

テトラポットの傍に居たと思ったら、海の底に居たりして、そうかと思えばまた……。
彼女が見ているこれは夢か? 幻か? 現実はどこだ?

その問いに、麦藁帽子の女の子が答える。
『これは夢かもしれないし、幻かもしれない。もしかしたら、現実かも』

作中何度か見かけるこのセリフ。

重要なことなんだろうと思う。

だから私は、この一点でもって、この幻想に一本の筋道を立ててみた。
すると、見えてくるのは、とてつもなく純粋な愛の物語。
どれほど遠く二人が別れようとも……例えば、海の底?

もちろん。

この二人なら、宇宙の底からでも、きっと。

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