これは寓話。巧みな比喩。もう何も感じないの。そう語る冷たい心の持ち主がいたとして、その人には、自由な選択も、選べるが故の迷いも無さそうです。なら、暖かくなったならば。何が溶け出す? 氷という固体の支えが外されて何が零れ出る?貴方は何を見ますか? 見るために留まれますか?貴方を支える氷を抜きにして。
人間に似た、でもその性質がまったく違う氷性の人。その人が作り出す擬氷。ファンタジックな言葉で物語を牽引しつつ過酷な現実を進むと、その先には『贖罪の本質』があった。『人間らしさ』を現実的な温度でなぞる、ミザリーな作品でした。
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