いきなりクライマックスで始まる展開。そして間もなく明らかにされる勇者と魔王の存在。結末はたぶん……と思ったら見事に裏切られました。もちろん、いい意味で。
これは果たしてハッピーエンドなのか?それともバッドエンドなのか。個人的にはハッピーエンドだと思いたいですね。しかしそれは読者の方にお任せするということで。
そして最後に登場するタイトルの意味。伏線の回収もまた、見事です。世界を滅ぼす、というと暗いイメージがありますが、そんな「常識」が一瞬でひっくり返ってしまう……
「短編ファンタジー」という、一つのテーマでまた別の作品をぜひ書いてもらいたい。この作品は初めてファンタジーものや異世界ものを読む人達はもちろんのこと、「まずは作品を一つ仕上げたいという」作家さんたちもぜひ読んでもらいたい作品です。
舞台は最終決戦。
勇者と魔王の王道バトル物かと思いきや、魔王目線で始まるこの物語には、まさかの設定がありました。
実は勇者と魔王は以前、人間世界にいて、転生者だったのだ。
しかも、二人は青春ストーリー真っ只中で、相思相愛だったのに、運命は二人を呪う。
勇者→後輩の女の子
魔王→主人公の先輩
という、わけです。
いやいや、これほど異世界転生を呪う展開はないでしょう!!!!
あまりに残酷で可哀想すぎる二人。
読者の心を揺らしまくります。
そして、ラストシーンは衝撃の事実が!?
このストーリーを考えた作者様は、すごいですね。
私では考えつかない展開にもう、堪らなく心揺れました!
素敵な作品です!
是非ご覧あれ!
前、高校生の自分は、後輩の彼女のことが死ぬほど好きで――。
今、魔王たる自分は、勇者の彼女のことが殺したいほど好きだ。
二人の少年少女は、想い合っていたにも関わらず、異世界の運命に巻き込まれて
敵味方に分かれてしまう。
最終決戦。両軍が総力を尽くして戦う中、二人も首魁として刃を交える。
魔王の主人公視点で描かれる苦悩と、葛藤――だが、運命には逆らえない。
残酷なほど、疾走感が増していく描写が、二人の悲しき宿命を彩る。
そして、最後の刃が一閃されたそのとき、驚愕の真実が明らかになる。
全ての幕が下り、静寂が訪れた世界で――。
イヒ・リーベディヒの真の意味を、貴方は知る。