ひとつの花に託す。

作者 烏目浩輔(からすめこうすけ)

472

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★★★ Excellent!!!

読み始めた時、自分の心にこんな感情が湧くとは思っていませんでした。
アンドロイドの出てくるSF小説、よくある物語をどう調理していくんだろう?

しかし読了したいまはただ、感動が心を静かに浸しています。
これはかわいらしい女性と、体は弱いけれど彼女を支える心の強い男性の物語だと思います。
そこにアンドロイドが加わると、あなたの心に響く物語になるようです。

詳細本文に。

★★★ Excellent!!!


 作品を最後まで読んでタイトルの意味を知った時、久々に感動が身体を駆け巡る感覚に襲われました。


 主人公・水瀬は社会的に地位の低いアンドロイド・一花を大切な存在として敬意を持ち続けた。その想いを受けた一花もまた水瀬を大切な存在として尽くしていた。

 一花と別れた後の水瀬が書き上げた小説にはどれ程の想いが詰まっていたのか……それを考えると胸が締め付けられる思いで作品を読み進めました。

 水瀬と一花……時が隔ててしまった二人の関係ですが、絆の強さは『ノーカラー』が全てを物語っている。

 作者の演出の巧みさが幾部分にも散りばめられた名作であり、評価が☆三つでは足りないとさえ思える良作。必読!

★★★ Excellent!!!

何という素晴らしい短編でしょうか!?
カクヨムWeb小説短編賞2019応募作品ですが、一万字以内の限られた条件で、これだけ密度が濃く目頭が熱くなる作品が描かれるとは、たまげております!

冒頭は、何やらノンフィクション小説の授賞式の光景。作者は車いす? タイトルは『ノーカラー前編』? 前編だけで受賞?

さまざまな不思議を残したまま、舞台は大きく変わります。

そのメインの舞台も最初はよく分からなかったのですが、それも作者さまの巧妙な戦略! それが明かされる驚きとともに、後半は押し寄せる波のように感動がのしかかってきます!

『ノーカラー前編』に記された受賞者の車いすの作者からのメッセージに、涙すること請け合いです。そしてタイトルを見て納得……!

これは、普通に、家族や友人に紹介したくなるレベルどころか、教科書は課題図書に指定されてもおかしくないくらい、皆さんに読んでいただきたい内容と思います! 私自身、3回くらい読み返しています!

本当に素晴らしい読書時間ありがとうございます! カクヨムWeb小説短編賞受賞してほしいです!

★★★ Excellent!!!

作家の水瀬先生について、でしたよね。
そうですねえ。うーん。一言で言えば、変わり者でしたね。ははっ。
ただまあ、なんて言うか、一本線が通っているって言うんですかねえ。うん。
単に変人とか変態って言うのではなくて、そうですね……彼は本当に純粋だったんだと思います。
「これだ」って思ったことはまっすぐに信じて、決して疑わない。その信念が物凄いんですよ。並ではない。
だから作家なんてできていたんでしょうね。

——え? ああ、私ですか? うーん、いやまあ確かに同業者ではありますけど、虚仮ですよ虚仮。あの人に比べたら私なんて。

ただまあなんていうか、今回の『ノーカラー』は、一緒に暮らしていた『一花』さんのおかげだとも語っていましたからねえ。彼の純粋さだけではなく、一花さんの支えがあったからというのもあるんでしょうね。

——え? なんで私なんかが水瀬先生についてそんなに詳しいか、ですか?
えー、そりゃー、ファンでしたもん。三流作家と呼ばれて周りの文豪の方々から蔑まれていた頃からずうっとね。信じていたんですよ。なんかこう、固い意志みたいなものを貫いている作風がとっても好きでね。いつか世界を変えちまうんじゃあないかって。ずっとずっと思っていた。燻っている時代からずっとずっと、ね。

いやしかし、信じる力ってのは凄いなあって思いません? こうして私の信じていた水瀬先生が輝かしい賞を受賞したわけですから。私のおかげじゃあないですけれども。
まっ、それでも文豪の方々は「あんなくだらない賞を受賞したくらいで粋がるな」とかなんとか言うんでしょうねぇ。どっちがくだらないんだか。……そういうくだらない連中を、そいつらを崇め奉る社会を作り上げて来た民衆どもの愚かしさと滑稽さは、皆さん『ノーカラー』を読んだなら解るんじゃないですか? あれ? ああ、そう言う風に読んでないんですね。すいませんすいません… 続きを読む

★★★ Excellent!!!

とある小説の賞を受賞した水瀬。
彼が描いたのは、彼の介護のために共に過ごしたアンドロイドの一花との関係でした。
しかし、一花はその場にはいません。
どうしてか、どこかを一人で漂っています。
アンドロイドが不当に扱われる社会の中で絆で繋がっていた二人が離れ離れになったのには、大きな理由がありました。
そして、それが社会を変えます。
 
冒頭の授賞式の様子から、恋仲の女性との関係を描いた作品なのかと一瞬思わせられますが、水瀬が「もしやアンドロイドだろうか」と考える一文で、パッと物語の世界観がが広がってくる感覚があり、物語に引きずり込まれます。
 
そこから一転、漂う一花の場面になると、ここはどこなのか、なぜ彼女はここにいるのか、水瀬との間に何があったのか、本には何が描かれているのか、といった疑問に興味を引かれ、どんどん読み進めることができます。
 
彼女の語りから明らかになる、アンドロイドと人間が共存する社会のありよう、そしてその中でも(もしかしたらそういう中だったからこそなのかもしれませんが)アンドロイドと人との間に生まれた絆。
その強さが一花と水瀬、それぞれの言動からよく伝わってきました。
そして、彼らのお互いへの思いが、世界を動かしていく様が、なんの違和感もなく描かれていてたいへん素晴らしいと思いました。
 
特に、この物語の魅力が凝縮されているのは水瀬が一花に残した三つの言葉です。
たった十二文字の本のあとがき、それを見た時に一花が聞いた声、そして水瀬が一花に何とか伝えようとしたメッセージ。
もう会うことは出来ないけれど、それら全ては、しっかり一花に伝わったのだということが、静かに胸に来ます。
どれも文字にしたら本当に短い言葉ですが、一花への水瀬の想いがギュッとつまっていて、言葉を重ねずにもこれほど愛情を伝えられるものなのだなと感じました。
言葉少ないことが、クールに… 続きを読む

★★★ Excellent!!!

内容は文句なく良いと言えるのですが、その表現の技術に感嘆です。
ページの使い方から改行の仕方一つとっても、よく考え抜かれているなぁと思わせてくれます。
ん?と思う描写から、あとでしっかりその意味を回収してくれるところなど、心地よい驚きがあります。
とても読者思いの方、そして本当に読むのが好きなのだろうなぁと感動しました。
この技術を真似しよう、と素直に思える素敵な作品です。

★★★ Excellent!!!

一言で言えば美しい作品です。

序盤は場面の想像がしづらくなかなか取っつきにくい印象でしたが、1ページ完結の短編だからこそできた素晴らしい文章設計であったと今は思います。

回想がほとんどで大きな感情のうねりというのは少なかったですが、曲がりくねった”糸”を思わせる物語の進み方がこの作品の最たる特長であり、その他の要素全てを包み作品をまとめ上げる大きくて綺麗な”布”を作る才能に脱帽しました。

SFでありながら、全体を通して心の温まる短編で、一読する価値が確実にある作品です。
良い読み物をありがとうございました。

★★★ Excellent!!!

Twitterでふと流れて来た情報から、気になっていた「あとがき」のキャッチフレーズ。ご縁が出来たことを嬉しく思わせる、この筆致と内容は、思わず目頭が熱くなりました。
と、同時に、わたしの言葉でこの作品を語ってはならないというプレッシャーのもと、レビューを書いています。

言葉で表せる簡潔な物語も、分かりやすいですが
言葉にできない、心で読むべき物語もまた、素晴らしいです。
SFが謂わんとしていることを、同じSF小説好きとしても受け取りました。

そうして、優しさと導く背景や、その綺麗な伏線回収もほどけて行くさまも、全てがスタンディングオベーションです。

本当、いいお話でした。そしていつもの一文を。
今年のカクヨムコン応募作品、面白すぎませんか?

★★★ Excellent!!!

レビューを書かずにいられない作品です。

人間とアンドロイドが共生する世界は目の前に広がり始める。
近い将来の地球の姿だと思います。


マスターを愛し、そして愛されたからこその一花の行動に感動して涙が出ました。

人間もアンドロイドも救われるのですその最後の言葉に……

素晴らしい作品です。
そして読むべき作品です。

★★★ Excellent!!!

人間とアンドロイドの関係を描いたSF短編。
特筆すべきは、完成度の高さでしょう。

作中登場する小説のタイトルその他、すべてが見事に組み合わされています。

じっくりと一文字一文字読み込んでしまいました。

タイトルから最後まで、本当によく計算しつくされていいます。
どうやってこの完成度にもっていくのか作者様に聞いてみたくなります。

お見事!

★★★ Excellent!!!

余韻を噛み締めた後で、ぜひもう一度読み返してみてほしい作品です。

短編という限られた文字数の中で広げられた世界の広さと厚みにまず驚きました。
そして作品の各所にそっと忍ばせた伏線が物語の進行と共に読者の脳内で一つずつ回収されていきます。
謎が解けていく心地よさを感じながら物語が進み、最後は温かい感情が胸に押し寄せてきます。

そして全てを読み終えた人もぜひもう一度冒頭に立ち戻って読み返してみてください。
彼が視線を向けた先はどこにあったのか、どんな思いで彼女が執筆したのか、そして長年捜索し続けた彼女達の胸中を想像してみてください。
それらは束ねたら美しい花束にならないでしょうか。

本当に素晴らしい作品だと思います。

★★★ Excellent!!!

まさか、水瀬の視線の先でそのようなことになっているとは!

芸術的カメラワークで一花の周囲の状況が徐々に明らかになっていく様は、驚きと共に映像となって脳に流れ込んできました。

喪失を天に放した水瀬と、それを受け止めた一花の物語は、暖かな読後感をもたらしてくれました。

★★★ Excellent!!!

――AIは、きっと私たちの友になる――
これは日本人に独特の思想かも知れません。欧米ではAIやアンドロイドはあくまで人間の下僕であり、いざ敵対した場合は征服すべきという考えが支配的です。
でも、将来人類が宇宙進出を目指すなら、真空の宇宙空間でも、超高温や極低温でも平気で耐える彼女たちはきっと最良のパートナーになれるはず。
そんな優しい未来を感じさせる物語です。

★★★ Excellent!!!

AIの発展スピードが加速し、シンギュラリティなる単語が頻繁に聞かれるようになった現代。AIやロボットに職を奪われないか、存在を否定されないかとビクビクする現代人。2世紀前のラッダイト運動の再来だ。
暫くすると、本作品に描かれた世界が出現するのだろう。
でも、アンドロイドは人間に危害を加えない。
軍拡に勤しむ国家か、狂ったテロリストが殺人アンドロイドを作り上げない限り。
だから、本作品で描いた通り、何かのキッカケで、こんな世の中に移行するんだろう。
その過渡期には軋轢があるはずで、それを乗り越えるには一種のヒーローが求められる。
本作品は、そんなヒーローとヒロインの人情物語である。
老い先の短い私がヒーローとなる可能性は少ないが、SF好きの私としては、そんな心意気で未来を迎えたいものだ。

短編にはMAX2つが信条なんですが、星3つ付けました。

★★★ Excellent!!!

あまり長いお話ではないので、ご自身の眼で確かめるのが一番!
短い中に、ぎっちりもっちり「世界」が詰まっています。

真空状態に〇年も放置されたアンドロイドが果たしてまともに動くのか? とか、可動エネルギーは何処から? とか 放射線とか太陽フレアとか大丈夫だったのか? とか おそらく人間にそっくりと言う事は、皮膚(表皮組織)に水分が含まれる素材だろうから宇宙空間で水分が逃げちゃってカッサカサにならないのかな? とか……

もう、もう、もう……!
そーいう、その他もろもろの邪推や蛇足を全部、全部、ぜ~んぶ吹っ飛ばす位、ピュアで爽やかで心温まる作品です。

あらすじとか聞かずに、とりあえず、読め!!!
後悔はないから!!!

主人公のマスターが残した12文字。

心が無いはずのアンドロイドに宿ったものは何だったのか。
どうして、心を持つまでに至ったのか、そして、たった一つの花の決断は。

これぞ、文学!!!

★★ Very Good!!

人間とアンドロイド。似ているがゆえの不気味さに、長らくその関係性は不幸なものだった。そして、今は?

これはアンドロイドを人として扱う変わり者の作家と、仕えたアンドロイドの物語だ。強く、美しくひとつの結末へ向かう。
作家の持っていた意志そのものの強さで、優しさで。

★★★ Excellent!!!

売れない作家の受賞シーンから始まるこの物語、一体全体どう話を広げるのか…と思いきや、突然切り替わる場面。そのまま彼の介護アンドロイド・一花の独白によって、二人のストーリーが語られていきます。

一花の語り口に垣間見える、ALSを患う作家水瀬の人柄と温かい日々。社会に根付く差別の視線。人類の業と優しさを同時に描くという、もの凄い荒技がサラリと違和感なく物語に落とし込まれています。

短編という少ない字数で、こんなに壮大なお話を読めるとは思っていなくて、読み終わった後しばらく動けませんでした。飲み込まれてしまった。


これ以上はわたしの語彙力が機能しないです……自分の目でご覧になるのが一番かと。
おすすめの一作です。

★★★ Excellent!!!

世界地図を100年眺めていても世界のかたちは変わらない。
でも紙の上からは視認できない幾億の命たちは、そのありようを完全に変えていた。
成し遂げたのは、ひと組の作家とアンドロイド、それに一対の本。


『ノーカラー』という耳なじみのないタイトルの本のあとがき、そこに記された12字の文章が、人間が決して超えることのできない年月をひと息に繋ぐ構成はとってもすばらしい。

マンガでは決して味わえない。
文章だからこその驚きが待っています。

短くて、深い。
短編っていいなあ。

★★★ Excellent!!!

これ程評価されているのに、こんなにも本文付きレビューが少ないのが、ひとつの証明だと思います。

私もまた、レビュー画面を開いておきながら、ただ読めと、読んで欲しいと、それ以外の何をお伝えすればいいのかわかりません。

ただ読んで、最後に十二文字を読んで、そしてもう一度タイトルを見てください。

そのとき、あなたの胸に残るものが答えです。

★★★ Excellent!!!

この物語の完全なるポイントはそこです。大賞とか、融和とか、差別とか、多分そういうことじゃない。勿論それがないと物語が物語にならないのはあるでしょうけれども。

そのポイントはこれです。

マスターは、信じていた。

これ。これ以上はバレるので書けない。何を信じていたかは、本当にネタバレになるので書けないのですが、人に何かを頼むときに大前提となる条件と言ったら。

半信半疑で信じていたんじゃないんですよね。本気で信じていたんですよ。本当に本当に、本気で。

これに気がついたとき、なんて強烈なヒューマンドラマなんだと思いました。
今書いてて思いましたが、ここでやっと差別区別が生きてくるんだなと思いました。その人への思いは対等。

一読でわかる人は相当です、言葉を探りながら、これが成立するときの条件ときたら、そういうのを意識して読んでみて下さい。

繰り返しますが、信じないと出来ない行為です。

★★★ Excellent!!!

はじまりから終わりまで独特の静けさがありながら、まるで一本の映画を観終えたような余韻を残すSF短編小説。
ここまでの世界観をこの文字数で完成させる文章力と構成力の高さは読む専門の方はもちろん、執筆に励む方にもとても参考になるのではないでしょうか。
みなさまどうぞ是非ご一読を。

★★★ Excellent!!!

読了後、すべての語彙力を失った自分がいた。
何を書いても、この感動を表せない気がする。

なんのストレスもなく最後まで読めたのは、作者の高い筆力のなせる技。
そこに、こんな珠玉のストーリーが合わさるともう、たまらない。

ラストの一行まで見守ってほしい。
きっとこの作品の事が忘れられなくなるから。

★★★ Excellent!!!

 最後の言葉のための物語と言ってもいいような気がする……それくらい読後の余韻が凄かったです……! 思わず放心して、すぐには他の作品を読むことができませんでした。

 こんなにも壮大な物語を短編でまとめあげたのは、見事だと思います。

 伏線をあちこちに散りばめてあり、短編の教科書と言っても過言じゃないのではないでしょうか。

 是非、小説を書いている人にも読んで欲しいと思う作品です。

 素晴らしい作品を読ませて頂きありがとうございます!

 下手くそでも、初めてレビューを書きたいと思えた作品でした!

★★★ Excellent!!!

色々な意味で壮大な作品でありつつ(ネタバレになるので詳しく書けませんが、ぜひ読んでみてください)、人とアンドロイドのドラマが丁寧かつ美しく描かれてゆきます。舞台の変遷とともに、物語が動き、最後に綺麗に収束していきます。構成力が抜群です。本当に、心洗われる美しい作品でした。

★★★ Excellent!!!

最初の舞台は小説大賞の授賞式。二幕目はこのお話の主役であるアンドロイド一花の視点へと移動します。
なぜ、どうしてそこにいるのか、一花が回想するうち、徐々に状況が読者にも明らかになっていきます。

これは短編として纏まっていながらSFとしての広がりを持った作品だと思いました。
読んだ後、短くても簡単でも何でも良いので、貴方がどう感じたかをレビューで聞かせてください。

★★★ Excellent!!!

かつて、車いすに乗った者達はバスに乗車を拒否されました。

かつて、褐色の肌を持つ者達は一般的なレストランにすら入れませんでした。

信じられないことに、これらは歴史的な事実でした。


歴史的な事実とはつまり、幾度も繰り返されてきた人類の“業”のようなものでもあります。

本作『ひとつの花に託す。』は、そんな忌むべき業、すなわち「差別」を巡るSFヒューマンドラマ、いやむしろ、アンドロイドドラマと言っていいかもしれません。



本作に登場するアンドロイドは、姿かたちは人間そっくりではありますが、その扱いは劣悪極まるものです。

冒頭に記したようなあからさまな差別的扱いはもちろん、本来家畜につける首輪(カラー)を装着するのが義務化されているのです。

アンドロイドだって、本来は人類自身が生み出した工業製品。にも拘わらず、まるで得体の知れない化け物のように認識されているのです。


こうした「アンドロイドを蔑視する」世界観は、むしろ数多あるSFの中ではポピュラーなものです。しかし本作がユニークなのは、そんなアンドロイドを庇おうとするのが、同じく虐げられる立場であった障害者であるという点です。


劇中の重要人物にして売れない作家、水瀬基行(みなせもとゆき)はALS(筋萎縮性側索硬化症)という難病を患っています。筋肉が衰え、やがては死に至る、現在でも完全な治療法は見つかっていない病気です。

そんな水瀬には、彼を介護してくれる一体の女性型アンドロイドがいました。

心優しき水瀬は彼女に「一花」という名前を付け、良きパートナーとして接しました。アンドロイドである彼女が嫌悪され差別されれば、誰よりも強く抗議の声を上げ、一花を守ろうとしました。


何も知らない人から見れば、アンドロイドであり水瀬の介護人である一花の方が、水瀬の守護者であると思われるかもしれません。

しかし、実際… 続きを読む

★★★ Excellent!!!

 KKノンフィクション小説大賞を受賞したのは前編だけの作品。なぜ前編だけなのか。あとがきに記されたわずか十二文字のメッセージとは。

 これほど評価されながら文字レビューが少ないのは、ラストで言葉を失ってしまうからかもしれません。とても壮大で、とてもシンプルな愛の物語でした。

★★★ Excellent!!!

本作品はSFのカテゴリーなのですが、その中に、ひとりの男性とアンドロイドとのそれぞれの思いやりや愛を感じさせるお話でした。

差別や偏見など、現実社会でも起きている問題を、SFというジャンルで新たな切り口でありながら、シンプルに、人として、そして、アンドロイドとしても心が通じあえた、そんな感動を呼ぶ作品です。

そして、それをまた本がつなぐというところが、とても粋ですね。