批判も書きますが……

SF好きが読んだら、小首を傾げる設定がしばしば。ロボットに対してアシモフの三原則が適用されていない。これは大きな矛盾だと思う。宇宙船を助ける一花の思考に違和感を覚えた。ご主人様以外はどうでもいい。これは明らかに違和感。ここまで人間っぽい存在を作ってしまう世界。ここが若干引っかかった。この思考ならば人間に危害を加えることが可能だし、反乱を起こすことだってあり得るからだ。
しかしながら、これはライトノベルなので、そういったことは無視して読み進めた。するとどうだろう。人間身のある一花に感情移入して、最後は泣いてしまった。
彼女が宇宙船を見送った時は何を思ったのだろう。今生の別れと主人を助けたことへの満足感。その複雑な感情が入り混じったに違いない。彼女が宇宙を彷徨い続けたことに胸を締め付けられた。百年以上も長い年月を、ご主人様を想って……。
しかも、その想いはロボットだから永遠に続く。
主人の想いが一花に伝わって本当に良かった。もしも、魂という概念が存在するならば、2人は天国で再会するのではないだろうか? などと極上の読後感に浸れた。

作者様へ。
読者コメントを閉じている理由は分かりませんが、個人的にはとてもありがたかったです。おかげで素敵な読後感を味わえました。
とても素晴らしい短編だと思います。
アニメ化希望まである。
素敵な作品をありがとうございました。

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