概要
大冒険も親友との思い出も、いつかは忘れてしまうに決まってる。
どれだけ衝撃的にも思える出来事は、大人になったら全部忘れてしまうんだって、そんなの子供の頃にとっくに気付いていた。
だけどあのとき、俺たちの目の前に広がっていたのは、特別で衝撃的な、絶対に忘れられない大冒険だったんだ。
さあ始めよう。あの夏の神話の物語を。俺たちの大冒険の話を。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!スタンド・バイ・ミーを超えた青春がここにある
私はたいてい作品を酒に喩えてレビューしているが、今回御紹介する作品はラムネに喩えたい……いや、是非ともラムネに喩えねばなるまい。
本作は小6デコボコ三人組の冒険譚だ。
全体的にギャグテイストだが、クトゥルフ神話の一端を担っているせいで序盤はホラー要素も強い。
各キャラクターの一人称で物語が語られるので、すんなりストーリーに入って行けるだろう。
また素直でとても読み(飲み)やすい文体なので、読み疲れする事もないはずだ。
外連味バツグンの濃いキャラクター達が織りなす青春の一ページ。
貴方も少年時代を思い出し、心ゆくまで味わってみてはいかがだろうか。
「そういやラムネって…続きを読む - ★★★ Excellent!!!大人のための少年達のジュブナイル
まさしく、大人が読みたくなるジュブナイルでした。
小6のデコボコ仲良し三人組が、夏休みに親戚の民宿に遊びに行くといういかにも子供らしい冒険から始まります。
ひと夏の憧れに出会うなどいかにもなエピソードから急転直下、神との戦いに巻き込まれます。
クトゥルフ神話をベースとしているお話ですが、何となくの単語しか知らない知識不足の人間でも楽しめました。
オリジナルの神話ではない故のしっかりした地盤やそれ故の恐ろしさを感じます。
他の王道なクトゥルフも手を出してみようかなと思います。
三人共個性満載ですが、特に大地のアホさ加減は世界を救えるレベルです。
物凄く笑えました。
子供の頃のあの冒険心に…続きを読む - ★★★ Excellent!!!ジュヴナイルクトゥルフ佐藤大地アドベンチャー
現実的でどこか冷めてる梅原隼人、頭はいいけど遠慮がちな石岡博、ともかく体力バカで元気な佐藤大地は友達だった。
小学生最後の夏休み、彼らは子どもたちだけの旅行を計画し、”ノーコンテンツヴィレッジ”な玖津ヶ村までやってきた。
佐藤大地の遠い親戚が営んでいる旅館に泊まるため。
しかし、彼らが訪れた玖津ヶ村には大きな秘密があったのだ。
知らずに巻き込まれた彼らは、やがて世界の平和を脅かすような大事件に立ち向かっていくことになるのだった。
はい、佐藤大地君です。
兎にも角にも佐藤大地君です。
三人の少年+主要登場人物のそれぞれがキャラが立ち、役回りも明確ですが、佐藤大地君なくしてこの物語は成立しえな…続きを読む - ★★★ Excellent!!!少年達のひと夏の冒険奇譚
本作は夏の思い出を残すため田舎の旅館に泊まりに来た三人の少年達が怪異に巻き込まれる物語です。
等身大の少年達を主人公にした謂わばジュヴナイル小説。そして、珍しくもクトゥルフ神話が絡む内容であり、その恐ろしさと不気味さ、特徴がよく表現出来ていて、臨場感のある恐怖を読み手に与えてくれます。
特に子供ながらの感性や好奇心の表現がとても上手いと思いました。読んでいてすごく懐かしい気持ちにもなりましたし、少年期の青春と思い出を振り返りたいと思う読者の方には是非とも読んで頂きたい一作だとオススメします。
一本の映画を見終えたような満足感、読後のスッキリ感、その点でも高く評価出来る作品です。
本作…続きを読む - ★★★ Excellent!!!少年達の夏休みは怪異蠢く水の底
底なしアホの原始人、周りが見えすぎる生意気少年、臆病なムッツリスケベ、クソガキ三人組が小学生最後の夏休みを満喫しようと訪れたのは、海と山しかない小さな田舎村。
畳に障子、ブラウン管テレビに扇風機というレトロな宿で出会ったノースリーブの女の子と海で泳いで駄菓子屋に寄って、ドキドキな夏休みが始まるのかと思いきや……
あまりにも不穏な昔話、取り返しのつかない選択、宿に戻ってみれば奇妙なお札がびっしり張られた部屋、決して開けてはいけない襖。その夜悲鳴とともに海の底から現れたのは……みんな大好き『深きもの』。少年達はいつしか深淵を呼び寄せてしまっていたのです。
廊下に迫る濡れた足音、壊れたラジオの…続きを読む