少年達の夏休みは怪異蠢く水の底

底なしアホの原始人、周りが見えすぎる生意気少年、臆病なムッツリスケベ、クソガキ三人組が小学生最後の夏休みを満喫しようと訪れたのは、海と山しかない小さな田舎村。
畳に障子、ブラウン管テレビに扇風機というレトロな宿で出会ったノースリーブの女の子と海で泳いで駄菓子屋に寄って、ドキドキな夏休みが始まるのかと思いきや……

あまりにも不穏な昔話、取り返しのつかない選択、宿に戻ってみれば奇妙なお札がびっしり張られた部屋、決して開けてはいけない襖。その夜悲鳴とともに海の底から現れたのは……みんな大好き『深きもの』。少年達はいつしか深淵を呼び寄せてしまっていたのです。

廊下に迫る濡れた足音、壊れたラジオのように繰り返される声真似、地下から迫る轟音、一枚また一枚と破られていくお札……焦燥と恐怖と絶望の中でもやっぱりアホで、やっぱり生意気で、やっぱり臆病な三人組は一筋の光を頼りに強大な魔に立ち向かう。

クトゥルフ神話の絶望感と少年達の勇気が織り成す恐怖の夏休み、ぜひご一読ください。

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